桑の葉茶とは?味・飲み方・選び方をお茶専門店が解説

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桑の葉茶とは?味・飲み方・選び方

桑の葉茶は、桑の木の葉を乾燥・加工して作るお茶です。葉からお湯で抽出するタイプのほか、葉そのものを細かくした粉末・パウダーもあり、ノンカフェインのお茶として親しまれています。

ただ、「桑の葉」と聞いても、どんな植物なのか、なぜ健康茶として注目されているのか、よく分からない方もいらっしゃるでしょう。

桑は、もともと日本の養蚕と深く関わってきた植物です。蚕が食べる葉として各地で育てられ、日本の絹産業を支えてきました。その葉が現在は、お茶や青汁の原料としても使われています。

熊本のお茶専門店・山麓園では、熊本県産の桑の葉を使ったティーバッグとパウダーを販売しています。契約農家さんの中には、大学の養蚕学科を卒業し、親から養蚕を継いだ桑専門の農家さんもいます。

この記事では、桑という植物のことから、養蚕の歴史、注目される成分、味、飲み方、選び方まで、桑の葉茶を初めて知る方にも分かりやすく解説します。

桑の葉茶とは?桑の葉から作るノンカフェインのお茶

桑の葉茶の原料は、クワ科の植物である桑の葉です。「桑茶」「桑葉茶」と呼ばれることもあります。

緑茶や紅茶の原料になる「チャノキ」とは別の植物で、桑の葉100%のお茶は、一般にノンカフェインのお茶として利用されています。ただし、緑茶や抹茶などを混ぜた商品は、原材料やカフェイン表示の確認が必要です。

桑の実を使ったフルーツティーとも異なります。桑の実はマルベリーと呼ばれ、ジャムなどにも使われますが、桑の葉茶で使うのは葉の部分です。果実のような甘酸っぱさを想像すると、実際の味との違いを感じるかもしれません。

市販品には、主に次のような形があります。

種類原料の使い方飲み方
茶葉・ティーバッグ乾燥した葉を使うお湯で抽出したお茶を飲む
粉末・パウダー葉を細かく粉砕する水やお湯、牛乳などに混ぜて葉ごと摂る
ブレンド茶桑の葉に別の原料を合わせる商品に記載された方法で抽出する

同じ「桑の葉茶」という名前でも、葉を抽出するか、葉そのものを飲むかで、口当たりや成分の取り入れ方が変わります。

桑はどんな植物?蚕を育て、日本の絹産業を支えてきた木

桑は、蚕の餌として知られる植物です。蚕を育てて繭を生産する仕事を「養蚕」といい、繭から取り出した糸が生糸になります。

かつて日本では養蚕が盛んで、蚕に与える葉を確保するため、各地に桑畑がありました。桑は、日本の農業と暮らしに深く根付いていた植物なのです。

群馬県の資料によると、日本の生糸輸出量は1909年(明治42年)に世界一になりました。[1]

絹産業の発展を支えたのは製糸工場だけではありません。蚕を育てる農家と、その蚕を養う桑畑が、原料づくりを担っていました。桑の葉には、そうした日本の産業の歴史がつながっています。

熊本では、養蚕とシルクの新しい活用も進んでいる

養蚕は、過去の産業というだけではありません。

熊本県山鹿市では、2017年に、一年を通して無菌環境で蚕を育てる大規模な養蚕工場が稼働を始めました。あつまる山鹿シルクによる取り組みで、安定した品質のシルクを生産し、衣料以外の分野への活用も進めています。[2]

熊本大学では、シルクのタンパク質である「フィブロイン」を医療材料に利用する研究が行われています。例えば、血管を広げる医療機器であるステントの表面を覆う素材などへの応用が研究されています。[3]

桑の葉を蚕が食べ、蚕が繭を作り、そこから得られるシルクが新しい素材になる。身近な植物から、農業と先端研究がつながっている点も、桑と養蚕の興味深いところです。

※ここで紹介しているのは熊本の養蚕・シルク産業の事例です。シルクの医療材料研究と、桑の葉茶を飲むことによる作用は別の話です。

山麓園の契約農家には、養蚕を学んだ桑専門の農家も

桑の葉

山麓園の契約農家さんの一人は、大学の養蚕学科を卒業し、親から養蚕を継いだ桑専門の農家さんです。

桑を育てることと、蚕を育てることの両方に関わってきた方で、桑の葉を扱ってきた経験があります。

桑の葉茶を選ぶときは、価格や内容量だけでなく、「誰が原料の葉を育てているのか」にも目を向けていただければと思います。私たちにとって、原料を育てる方の背景をお伝えすることも、お茶の説明の一つです。

蚕が農薬に敏感なことと、桑の栽培との関係

蚕は、桑の葉に付いた殺虫剤などの影響を受けることがあります。研究でも、一部の殺虫剤が少量で蚕に強い影響を与えることが報告されています。[4]

そのため、養蚕用の桑葉を生産する際には、蚕への影響を考えた農薬の管理が必要です。

ただし、このことだけで「桑はすべて農薬を使わずに栽培されている」とは言えません。食品用の桑の葉を購入するときも、各商品の栽培情報を確認することが大切です。

また、「栽培期間中農薬不使用」「有機JAS認証」「残留農薬検査を実施」は、それぞれ異なる情報です。表示の言葉だけでなく、どのような栽培・検査が行われているかを確認しましょう。

桑の葉茶はなぜ注目される?DNJという成分の研究

桑の葉が健康食品として注目される背景の一つに、DNJという成分の研究があります。

DNJは「1-デオキシノジリマイシン」の略で、イミノシュガーと呼ばれる成分の一種です。

DNJは、糖質の分解に関わる酵素「α-グルコシダーゼ」の働きを阻害する成分として研究されています。糖質が分解される速さに関わることで、食後の血糖値上昇への影響が調べられています。[5]

2007年のヒト試験では、DNJを一定濃度に調整した桑葉粉末を使い、ショ糖を摂取した後の血糖値上昇を抑える結果が報告されました。[6]

ただし、研究で使用された素材やDNJ量は、一般的な桑の葉茶一杯と同じではありません。研究結果をそのまま当店の商品や、すべての市販の桑の葉茶に当てはめることはできません。

桑の葉については、人を対象とした研究がある一方、原料や量などの条件を確かめて読む必要があります。食品として日常に取り入れることと、病気の治療を目的に使うことも区別しましょう。

DNJと食後血糖について、研究で使われた原料や量、結果を詳しく知りたい方は、桑の葉と血糖値についてのヒト試験・研究論文の解説をご覧ください。

桑の葉にはどんな栄養がある?青汁にも使われる理由

桑の葉は、お茶だけでなく、青汁や粉末食品の原料としても利用されています。

桑葉を分析した研究では、カルシウム、鉄、β-カロテン、たんぱく質、繊維質など、複数の栄養成分が報告されています。[7]

葉を細かくしたパウダーは、抽出液だけを飲む方法と違い、葉に含まれる繊維質なども一緒に取り入れられます。これが、桑の葉を青汁のような粉末飲料に使う理由の一つです。

一方、栄養成分を見るときは、次の点を確認したいところです。

  • 原料の品種や栽培・加工条件によって成分量が変わる。
  • 研究で調べた桑葉の数値と、購入する商品の数値は同じとは限らない。
  • 粉末100gあたりの数値と、一回に飲む量から摂れる量は異なる。
  • 葉の栄養成分が、すべて同じ割合でお茶に抽出されるわけではない。

桑の葉パウダーは、日々の食事に植物の葉を取り入れる一つの方法です。野菜や食事全体の代わりとして考えるのではなく、普段の食生活に加える食品として楽しむとよいでしょう。

栄養成分を詳しく知りたい方は、桑の葉の栄養を解説した記事もご覧ください。

とろみやぬめりが生じる理由、草のような香りの由来については、「桑の葉茶のとろみはなぜ?水溶性成分・青い香り・製法の違いを解説」で、成分と製法の視点から説明しています。

桑の葉茶はどんな味?ティーバッグと粉末で口当たりが違う

桑の葉茶の味は、原料や加工方法、濃さによって変わります。

当店の購入者様の感想では、「飲みやすい」「緑茶や青汁に近い」といった声がある一方、青葉の風味や葉らしさを感じる方もいます。香ばしさの強いほうじ茶や麦茶とは、風味の方向が異なります。

ティーバッグは、比較的すっきりした口当たり

ティーバッグでは抽出したお茶を飲むため、葉の粉末が口に残りにくく、比較的すっきりした口当たりになります。食事のお茶として飲みたい方や、粉っぽい飲み物が苦手な方が選びやすい形です。

パウダーは、葉の風味と粉末感を感じやすい

パウダーでは葉そのものを飲むため、ティーバッグより葉の風味を感じやすく、濃さによっては粉末感やとろみを感じる場合があります。

色が抹茶に似ていても、原料は別の植物です。抹茶と同じ旨味や香りを想像するより、桑の葉の粉末飲料として試していただくとよいでしょう。

風味や口当たりが気になる場合は、薄めに作ったり、牛乳や豆乳に混ぜたりして調整できます。

実際に飲んだ方が、味や口当たりをどのように感じているのかは、購入者レビューから桑の葉茶の味・風味・好みを分析した記事で紹介しています。

桑の葉茶は粉末とティーバッグ、どちらを選ぶ?

お茶としてすっきり飲みたい方にはティーバッグ、葉を丸ごと取り入れたい方にはパウダーが向いています。

比べるポイントティーバッグ粉末・パウダー
飲み方お湯などで抽出する飲み物に混ぜる
味の傾向比較的あっさり葉の風味を感じやすい
口当たり粉っぽさが少ない粉末感やとろみを感じる場合がある
葉そのもの茶殻として残る葉ごと摂る
使い方食事のお茶・マグカップで牛乳・豆乳・ヨーグルトにも
濃さの調整水量・抽出時間で調整加える粉末量で調整

なお、DNJは水で抽出した桑葉試料からも測定されています。[5] 「葉を丸ごと摂る粉末だから、必ずDNJを多く摂れる」とは言い切れません。

形状だけで健康面の優劣を決めるより、味、口当たり、使い方を比べ、自分が使いやすいものを選ぶのがおすすめです。

詳しい違いは、桑の葉茶は粉末とティーバッグどっち?違い・メリットを徹底比較で紹介しています。

熊本の桑農家さんが丁寧に選別し、自社工場で、植物由来の安心の素材で、ティーバッグに加工されます。
桑の葉茶パウダーの作り方
熊本の桑農家さんが丁寧に選別し、自社工場で、植物由来の安心の素材で、ティーバッグに加工されます。

桑の葉茶の飲み方|お湯で淹れる・冷やす・混ぜる

ティーバッグをカップで淹れる

基本は、カップにティーバッグを入れてお湯を注ぎ、抽出してから取り出す方法です。水量や抽出時間は、商品の表示を確認してください。

当店のティーバッグは、カップで淹れる場合、1包に200~300mL程度の熱湯を注ぎ、約3分待つ方法を商品ページでご案内しています。薄く感じたら少し長く抽出し、濃く感じたらお湯を加えるなど、好みに合わせて調整できます。

やかんで煮出す

当店の商品では、沸騰した700~1,000mLのお湯にティーバッグ1包を入れ、約5分煮出す方法もあります。これは当店商品ページでご案内している淹れ方の目安です。別の商品を使う場合は、その商品の案内に従ってください。

冷たく飲みたい場合は、お湯で作ったお茶を冷まし、清潔な容器に入れて冷蔵庫で冷やします。水出しに対応するかどうかは商品によって異なるため、表示を確認しましょう。

パウダーを水やお湯に混ぜる

パウダーは、商品に記載された使用量を基準に、水やお湯に混ぜます。

ダマが気になる場合は、最初に少量の水やお湯でよく混ぜてから、残りの水分を加えてみてください。

桑の葉そのものを粉砕したパウダーは、砂糖のように完全に溶けるものではなく、細かな葉の粒子が液体の中に分散します。時間が経って沈殿した場合は、混ぜ直して飲みましょう。

牛乳、豆乳、ヨーグルトなどに混ぜる使い方もできます。

作った後の色の変化や保存については、桑の葉パウダーの色の変化と保存を説明した記事もご覧ください。色の変化だけで品質や安全性を判断せず、異臭などが気になる場合は販売店へご相談ください。

桑の葉茶の選び方|原料・産地・加工方法を確認

購入するときは、次の点を確認すると、自分に合う商品を選びやすくなります。

確認すること見ておきたい点
原材料桑の葉100%か、他の原料を含むブレンドか
原料の産地「国内製造」だけでなく、桑の葉の産地が分かるか
栽培情報農薬使用に関する説明や、有機JAS認証などの情報があるか
加工方法乾燥・焙煎・粉砕方法が説明されているか
飲みやすさ粉末の細かさや、風味・口当たりの説明があるか
内容量と価格パウダーは100gあたり、ティーバッグは1包の量も確認
保存と使い切りやすさ開封後の保存方法と、自分が使う量に合った容量か

「国産」だけで品質のすべてが決まるわけではありませんが、原料の産地や生産者、加工方法が分かると、選ぶ際の判断材料になります。

特に粉末は、細かさによって口当たりが変わります。山麓園では、熊本県産の桑の葉を気流式粉砕機で微粉末に加工しています。製造については、桑の葉パウダーをきめ細かく仕上げる理由で詳しく紹介しています。

山麓園が桑の葉をどのように粉末へ加工しているかは、桑の葉パウダーの気流式微粉砕と製造方法の記事で、実際の設備とともに紹介しています。


桑の葉茶についてよくある質問

桑の葉茶と青汁は同じですか?

桑の葉を粉末にした商品は、青汁のような飲み方ができます。一方、青汁には大麦若葉、ケールなどを使う商品もあり、原料はさまざまです。「青汁」という名前だけで中身を判断せず、原材料を確認してください。

桑の葉茶はいつ飲めばよいですか?

普段のお茶として楽しむなら、食事のときや休憩時間など、生活に取り入れやすいタイミングで飲めます。研究で使われた摂取タイミングを、すべての市販品に共通する飲み方と考える必要はありません。

飲めば痩せたり、血糖値が下がったりしますか?

桑の葉茶を飲むだけで体重が減る、血糖値が改善すると保証することはできません。DNJを含む素材の研究と、個々の市販品を飲んだときの結果は区別が必要です。健康を考える際は、食事や運動、必要な治療を基本にしてください。

桑の葉パウダーの成分と研究でわかっていることは、桑の葉パウダーのDNJ・食物繊維・栄養成分を解説した記事で整理しています。

毎日飲む場合に気をつけることはありますか?

商品の使用量や注意事項を確認し、体調に合うかを見ながら取り入れてください。健康によさそうだからと、極端に濃くしたり大量に飲んだりする必要はありません。

医薬品を使用している方は、健康目的で桑葉製品を取り入れる前に医師・薬剤師に相談してください。飲んで体調に違和感が出た場合は、飲用を中止しましょう。[8]

注意点は、桑の葉茶のデメリット・飲みすぎについての記事で詳しく紹介しています。

実際に飲んでいる方の体験談を知りたい方は、桑の葉茶の購入者レビューと研究結果を照らし合わせた記事をご覧ください。個人の体験と研究で確認された内容を分けて紹介しています。

山麓園の熊本県産桑の葉茶

山麓園では、熊本県産の桑の葉を使ったティーバッグとパウダーをご用意しています。

原料には、栽培期間中に農薬・化学肥料を使用せずに育てた桑の葉を使用しています。原料の産地と栽培方法をお伝えしながら、日々のお茶として使いやすい商品をご案内しています。

食卓のお茶として飲みたい方や、すっきりした口当たりを好む方にはティーバッグ。葉そのものを取り入れたい方や、牛乳・豆乳・ヨーグルトにも使いたい方にはパウダーが選びやすい形です。

桑の葉茶は、養蚕を支えてきた植物を、毎日の食卓に取り入れるお茶です。成分への関心とともに、味や飲みやすさ、原料を育てる人のことにも目を向け、自分に合う楽しみ方を見つけていただければと思います。

山麓園の桑の葉茶 パウダー/ティーバッグのご紹介

山麓園では、以下のように手頃な価格で高品質な桑の葉茶を提供しています。

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参考文献・参考情報

  1. 群馬県「特集『次世代につなぐ世界遺産 ~「富岡製糸場と絹産業遺産群」登録5周年~』1」:日本の生糸輸出量の歴史。https://www.pref.gunma.jp/site/gunmakouhou/15648.html
  2. SILK on VALLEY/あつまるホールディングス「医療グレードに相当する高品質シルクの世界展開へ」(2022年12月6日):2017年完成のNSP山鹿工場と、シルクの用途開発。https://silk-on-valley.atsumaru.jp/news/press/post25.html
  3. 熊本大学 生物環境農学国際研究センター「広報クドウが研究紹介!Vol.3:シルク工学が紡ぐ縁」:シルクフィブロインの医療材料研究。https://www.fast.kumamoto-u.ac.jp/IRCAEB/pr3.html
  4. 山野井文夫「蚕に対する合成ピレスロイド系殺虫剤の影響」日本蚕糸学雑誌. 1986;55(4):329–334. DOI:10.11416/kontyushigen1930.55.329. https://www.jstage.jst.go.jp/article/kontyushigen1930/55/4/55_4_329/_article/-char/ja/
  5. 国際農林水産業研究センター「食品中の血糖値上昇抑制物質1-デオキシノジリマイシンの高感度定量法」(2009年度研究成果):DNJの働き、水抽出による分析、市販桑葉加工品の測定。https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2009_10
  6. Kimura T, et al. Food-grade mulberry powder enriched with 1-deoxynojirimycin suppresses the elevation of postprandial blood glucose in humans. J Agric Food Chem. 2007;55(14):5869–5874. DOI:10.1021/jf062680g. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17555327/
  7. Srivastava S, et al. Nutritional quality of leaves of some genotypes of mulberry (Morus alba). Int J Food Sci Nutr. 2006;57(5–6):305–313. DOI:10.1080/09637480600801837. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17135021/
  8. 消費者庁「健康食品5つの問題」:医薬品との自己判断による併用を避けること、不調時の相談など。https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety_portal/radioactive_substance/assets/consumer_safety_cms203_240701_06.pdf

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