
「桑の葉茶と何が違う?」
「血糖値によいと聞くけれど、本当に研究されているの?」
桑の葉パウダーについて調べると、血糖値、ダイエット、お通じ、栄養補給など、さまざまな情報が出てきます。
しかし、研究を詳しく見ていくと、比較的ヒトでの研究が進んでいるものと、桑の葉に成分が含まれていることから期待されているものは、分けて考える必要があります。
結論からいうと、桑の葉で特に研究が進んでいるのは、特徴的な成分であるDNJ(1-デオキシノジリマイシン)と食後血糖の関係です。
一方、桑の葉パウダーには、
- 食物繊維・繊維質
- カルシウム
- 鉄
- β-カロテン
- たんぱく質
- ポリフェノール類
なども含まれます。
そして、ティーバッグとの大きな違いは、パウダーなら桑の葉そのものを丸ごと摂取できることです。
この記事では、「桑の葉パウダーの効能」という言葉を、研究で何が分かっているのかという視点から、DNJ・食物繊維・栄養成分に分けて詳しく解説します。
※本記事は桑の葉およびその成分に関する研究・栄養情報を紹介するもので、特定の商品による疾病の治療・予防効果を示すものではありません。
- まず結論|桑の葉パウダーで注目したい成分と働き
- 桑の葉パウダーとは?ティーバッグとの一番大きな違い
- 桑の葉パウダーで最も注目される「DNJ」とは?
- ヒト試験では桑葉パウダーで食後血糖への影響が確認されている
- 別のヒト試験でも「DNJ 12mg」が検討されている
- 12試験・615人をまとめたメタ解析ではどうだった?
- 桑の葉パウダーの効能で、最も研究根拠があるのは血糖値?
- 食物繊維|桑の葉「パウダー」ならではのメリット
- なぜ食物繊維ではティーバッグよりパウダーなのか?
- 桑の葉パウダーにはカルシウム・鉄・β-カロテンなども含まれる
- 「桑の葉はカルシウムがすごい」は本当?100g表示の落とし穴
- ポリフェノール|桑の葉はDNJだけではない
- 桑の葉パウダーはダイエットに効く?
- 桑の葉パウダーでお通じはよくなる?
- 桑の葉パウダーはいつ飲むのがいい?
- 1日にどのくらい飲めばいい?
- 桑の葉パウダーを選ぶメリットは「DNJ+葉を丸ごと摂れること」
- 山麓園では熊本県産桑の葉を約10μmまで微粉砕
- 桑の葉パウダーの注意点
- よくある質問
- まとめ|桑の葉パウダーの魅力は「DNJ+葉そのものの栄養」
- 関連記事
- 山麓園の桑の葉茶 パウダー/ティーバッグのご紹介
- 参考文献
まず結論|桑の葉パウダーで注目したい成分と働き
桑の葉パウダーについて、現在の研究から整理すると次のようになります。
| 成分・特徴 | 研究・栄養学上のポイント |
|---|---|
| DNJ | 糖質を分解するα-グルコシダーゼとの関係が研究され、食後血糖のヒト試験が複数ある |
| 食物繊維・繊維質 | 粉末なら葉を丸ごと摂るため、ティーバッグでは茶殻に残る繊維質も摂取できる |
| カルシウム | 乾燥桑葉粉末に比較的多く含まれることが研究で確認されている |
| 鉄 | 桑葉に含まれるミネラルの一つ。ただし1回の摂取量は少量 |
| β-カロテン | 緑色の葉物植物らしい成分として含まれる |
| ポリフェノール | クロロゲン酸、ルチンなどが確認されている |
| 葉を丸ごと摂れる | 粉末タイプ最大の特徴。抽出液だけでなく植物そのものを摂取する |
この中で、「桑の葉ならでは」といえる成分がDNJです。
カルシウムや鉄、食物繊維は他の食品からも摂れますが、DNJは桑の葉を特徴づける成分として多くの研究が行われています。
桑の葉パウダーとは?ティーバッグとの一番大きな違い
桑の葉パウダーは、乾燥した桑の葉を細かく粉砕した食品です。
ティーバッグとの違いを簡単にいうと、
ティーバッグ=桑の葉から水に溶け出した成分を飲む
パウダー=桑の葉そのものを飲む
ということです。
ティーバッグの場合

桑の葉にお湯や水を加え、抽出された成分を飲みます。
飲み終わった葉は茶殻として残ります。
そのため、水に溶けにくい繊維質などの多くは茶殻側に残ります。
パウダーの場合

桑の葉を丸ごと粉砕しているため、葉そのものを摂取します。
つまり、
- 繊維質
- ミネラル
- カロテノイド
- たんぱく質
- ポリフェノール
- DNJ
など、桑葉そのものに含まれるさまざまな成分を一緒に摂取できるのが特徴です。
ただし、
「粉末だから、すべての効能がティーバッグより強い」
という意味ではありません。
例えばDNJは水に抽出される成分なので、ティーバッグからも摂取できます。
詳しくは「桑の葉茶は粉末とティーバッグどっち?違い・メリットを徹底比較」で解説しています。
桑の葉パウダーで最も注目される「DNJ」とは?
桑の葉について研究を調べると、頻繁に登場する成分があります。
DNJ(1-デオキシノジリマイシン)
です。
DNJは糖に似た構造を持つ成分で、糖質の消化に関わるα-グルコシダーゼという酵素との関係が研究されています。
ご飯やパン、麺、砂糖などに含まれる糖質は、そのまますべて体内へ吸収されるわけではありません。
消化管で酵素によって小さな糖に分解されてから吸収されます。
DNJは、この糖質の分解過程に作用することで、食後の急激な血糖上昇を緩やかにする可能性について研究されてきました。
ヒト試験では桑葉パウダーで食後血糖への影響が確認されている
DNJについて興味深いのは、試験管や動物実験だけでなく、人を対象とした試験が行われていることです。
2007年に東北大学などの研究グループが発表した研究では、DNJを1.5%含むよう調整した桑葉粉末が使用されました。
健康な成人に、
- DNJ 0mg
- DNJ 6mg
- DNJ 12mg
- DNJ 18mg
に相当する桑葉粉末をショ糖50gと一緒に摂取してもらい、その後の血糖値とインスリンを測定しました。
その結果、DNJ 12mgおよび18mgを摂取した場合、食後血糖値とインスリンの上昇が有意に抑えられました。
これは桑の葉と食後血糖の関係を考えるうえで、重要なヒト試験の一つです。
ただし、ここには非常に重要な注意点があります。
この研究で使われたのは、DNJ濃度を1.5%まで高めた研究用の桑葉粉末です。
一般的な桑の葉パウダーを同じ量摂れば、同じDNJ量になり、同じ結果が得られるという意味ではありません。
別のヒト試験でも「DNJ 12mg」が検討されている
2020年には、健康な成人と糖尿病境界域の肥満者を対象としたランダム化比較試験も発表されています。
最初の試験では、
- DNJ 6mg
- DNJ 12mg
- DNJ 18mg
に相当する桑葉粉末が比較され、この試験条件ではDNJ 12mgが食後血糖上昇を抑える最小有効量だったと報告されています。
さらに、糖尿病境界域の人を対象にDNJ 12mg相当を1日3回、12週間摂取する試験も行われました。
つまり、DNJについては、
「桑の葉に入っているらしい成分」
という段階ではなく、実際に人が摂取した場合の食後血糖への影響まで研究されている成分なのです。
より詳しい臨床試験の数値は「桑の葉で血糖値はどのくらい下がる?ヒト試験・研究論文から分かっていること」で紹介しています。
12試験・615人をまとめたメタ解析ではどうだった?

単独の研究だけでなく、複数のランダム化臨床試験をまとめた研究もあります。
2023年に発表されたメタ解析では、12試験・合計615人を対象として、桑の葉または桑葉エキスと血糖関連指標の関係が検討されました。
その結果、桑葉・桑葉エキスを摂取したグループでは平均して、
- 空腹時血糖:-0.47mmol/L
- HbA1c:-2.92mmol/mol
- 空腹時インスリン:-0.58μIU/mL
という変化が報告されています。
HbA1cの-2.92mmol/molは、一般的な%表示に換算すると約0.27ポイントに相当します。
ただし、この結果も、
「市販の桑の葉パウダーを飲めばHbA1cが0.27%下がる」
という意味ではありません。
このメタ解析には、
- 桑葉そのもの
- 桑葉粉末
- 桑葉エキス
- 規格化された素材
など条件の異なる研究が含まれています。
研究結果を見る際には、何をどのくらい摂取した試験なのかまで確認することが重要です。
桑の葉パウダーの効能で、最も研究根拠があるのは血糖値?
現時点の研究全体を見ると、桑の葉について比較的ヒトでの研究が多いのは、糖質代謝・食後血糖に関する分野です。
山麓園に寄せられた桑の葉茶・桑の葉パウダーの購入者レビュー1,245件を分析した際にも、健康面の目的として最も多かったのは、
- 血糖値
- HbA1c
- 糖質対策
に関する内容でした。
ただし、購入者レビューは個人の体験談です。
「数値が変わった」というレビューがあっても、
- 食事内容
- 運動
- 体重変化
- 医薬品
- 他の健康食品
などの影響を分けることはできません。
そのため、レビューは実際の利用実態を知る情報としては価値がありますが、桑の葉単独の効果を証明するものではありません。
研究結果と購入者の体感を比較した内容は、「桑の葉茶の実際の効果は?1,245件の購入者レビューと研究結果を照らし合わせて検証」で詳しく紹介しています。
食物繊維|桑の葉「パウダー」ならではのメリット
桑の葉パウダーのもう一つの大きな特徴が、葉そのものを摂取できることです。
これは特に食物繊維・繊維質を考えるときに重要です。
6種類の桑の葉を分析した研究では、乾燥桑葉粉末のNDF(中性デタージェント繊維)が、
27.60~36.66%
と報告されています。
NDFは植物に含まれる繊維質を評価する指標です。
ここで注意したいのは、NDFと、日本の栄養成分表示でいう「食物繊維」は同じ測定法・同じ数値ではないことです。
したがって、
「桑の葉パウダー100gには食物繊維が36.66g含まれる」
と、そのまま言い換えることはできません。
それでも、桑の葉という植物が相当量の繊維質を含んでいることは分かります。
なぜ食物繊維ではティーバッグよりパウダーなのか?
ティーバッグの場合、桑の葉へお湯を注いだあと、葉そのものは茶殻として捨てます。
一方、粉末の場合は桑の葉そのものを飲みます。
つまり、葉の繊維質を摂取するという目的では、粉末の方が理にかなっています。
これはDNJとは少し違います。
DNJは水に抽出されるためティーバッグでも摂取できますが、葉そのものに含まれる不溶性の繊維質はティーバッグでは多くが茶殻に残ります。
桑の葉パウダーの魅力は、
DNJだけではなく、「葉そのものを食べる」こと
にもあるわけです。
桑の葉パウダーにはカルシウム・鉄・β-カロテンなども含まれる
桑の葉にはDNJと繊維質だけでなく、さまざまな栄養成分があります。
先ほどの6種類の桑葉を分析した研究では、乾燥桑葉粉末100g当たり、次のような値が報告されています。
| 成分 | 乾燥桑葉粉末100g当たりの研究値 |
|---|---|
| 粗たんぱく質 | 15.31~30.91g |
| NDF(繊維質の指標) | 27.60~36.66g |
| カルシウム | 786.66~2,226.66mg |
| 鉄 | 19.00~35.72mg |
| 亜鉛 | 0.72~3.65mg |
| β-カロテン | 8,438~13,125μg |
こうして見ると、桑の葉はかなり栄養豊富に見えます。
しかし、ここで注意しなければならないのが**「100g当たり」という表示**です。
「桑の葉はカルシウムがすごい」は本当?100g表示の落とし穴
例えば乾燥桑葉粉末100g当たり、
カルシウム786~2,227mg
という研究値だけを見ると、非常に多く感じます。
しかし、桑の葉パウダーを1日に100g飲む人はまずいません。
仮に研究値を単純に1gへ換算すると、
- カルシウム:約7.9~22.3mg
- 鉄:約0.19~0.36mg
- 粗たんぱく質:約0.15~0.31g
- β-カロテン:約84~131μg
となります。
※あくまで研究値を100分の1にした単純計算であり、山麓園の商品やすべての桑葉パウダーの含有量を示すものではありません。
ここは、桑の葉パウダーの栄養を紹介するときに非常に大切です。
「100g当たりでは非常に栄養豊富」=「少量飲むだけで1日に必要な栄養を十分補える」ではありません。
桑の葉だけでカルシウムや鉄を補おうとする食品ではなく、
少量の中にさまざまな植物由来成分を含んでいる食品
と考える方が現実的でしょう。
各栄養成分についてさらに詳しくは、「桑の葉にはどんな栄養がある?カルシウム・鉄・食物繊維・DNJなど成分と働きを解説」で詳しく紹介しています。
ポリフェノール|桑の葉はDNJだけではない
桑の葉には植物由来のポリフェノール類も含まれています。
研究では、
- クロロゲン酸
- ルチン
- ケルセチン関連化合物
など、さまざまな成分が確認されています。
ポリフェノールについては抗酸化活性などさまざまな研究があります。
ただし、
「桑の葉パウダーを飲めば人の体で○○という効果が出る」
と、個々の成分研究から直接結論付けることはできません。
桑の葉の特徴は、一つの成分だけを大量に含むことよりも、
DNJ、繊維質、ミネラル、カロテノイド、ポリフェノールなど、さまざまな成分を含む緑色の葉そのもの
である点にあります。
桑の葉パウダーはダイエットに効く?

「桑の葉パウダー 効能」と一緒に検索されやすいのが、
「ダイエット」
です。
桑葉のDNJが糖質の消化・吸収過程と関係することから、ダイエット食品として紹介されることがあります。
しかし、
桑の葉パウダーを飲むだけで体重が減る
とする十分な根拠が確立しているわけではありません。
2023年のメタ解析でも主に評価されているのは、
- 空腹時血糖
- HbA1c
- インスリン
などの糖代謝指標です。
体重管理の基本は、食事全体と運動、生活習慣です。
桑の葉パウダーは、「飲むだけで痩せる食品」と考えるよりも、糖質の多い食生活が気になる方が日々の食事に取り入れる植物食品の一つ、と考えるのが適切でしょう。
桑の葉パウダーでお通じはよくなる?
購入者レビューでは、桑の葉パウダーを飲み始めてから「お通じに変化を感じた」という声も見られます。
粉末の場合、ティーバッグとは違い桑の葉そのものを摂取するため、繊維質も一緒に取り入れられます。
この点から考えると、レビューの内容としては興味深いものがあります。
一方で、桑の葉パウダーと便通を主要評価項目とした大規模なヒト試験が十分にあるわけではありません。
また、
- 水分摂取量
- 食事
- 他の食物繊維
- 運動
- 腸内環境
などでも便通は大きく変わります。
そのため、
「桑の葉パウダーを飲めば必ず便秘が改善する」
とは言えません。
ここでも、栄養学的に繊維質を含むことと、特定の効果が人で証明されていることを分けて考えることが大切です。
桑の葉パウダーはいつ飲むのがいい?
DNJと食後血糖を調べた臨床試験では、糖質と同時に桑葉素材を摂取する方法が多く使われています。例えば2007年の研究でも、DNJを含む桑葉粉末とショ糖を一緒に摂取しています。
そのため、糖質との関係を意識して桑の葉パウダーを取り入れている方では、
食事の前~食事中
に飲むケースが多く、山麓園の購入者レビューでも同様の飲み方が見られます。
ただし、一般的な桑の葉パウダーについて、
「食事の○分前が最もよい」
と一律に決められる研究があるわけではありません。
食品として毎日続けるのであれば、
- 朝食と一緒に
- 昼食時に
- 水やお茶代わりに
- 牛乳や豆乳に混ぜて
など、続けやすい方法で取り入れてよいでしょう。
1日にどのくらい飲めばいい?
ここも、
すべての桑の葉パウダーに共通する科学的な摂取量が決まっているわけではありません。
DNJ量は、
- 品種
- 収穫時期
- 葉の位置・成熟度
- 栽培条件
- 加工方法
などによって変わります。
2007年の研究でも、桑の品種や収穫時期、葉の位置によってDNJ含有量が異なることが確認されています。
したがって、
「研究ではDNJ 12mgだったから、市販の桑葉パウダーを○g飲めばよい」
とは単純に換算できません。
商品に表示された目安量を基本に、体調を見ながら利用するのがよいでしょう。
桑の葉パウダーを選ぶメリットは「DNJ+葉を丸ごと摂れること」
桑の葉パウダーについて研究を調べていくと、本当の特徴が見えてきます。
それは、
DNJという桑の葉独特の成分
と、
緑色の葉そのものに含まれる栄養
を両方摂取できることです。
ティーバッグでもDNJのように水に抽出される成分は摂取できます。
一方、粉末なら茶殻を捨てずに、
- 繊維質
- ミネラル
- β-カロテン
- たんぱく質
- ポリフェノール類
などを含む桑の葉そのものを摂取できます。
そのため、
「桑の葉を健康茶として飲む」というより、「桑の葉そのものを植物食品として取り入れる」
という感覚に近いのが桑の葉パウダーです。
山麓園では熊本県産桑の葉を約10μmまで微粉砕
山麓園では、熊本県産の桑の葉を乾燥させ、自社の気流式粉砕機で微粉末に加工しています。
粒度分布の中央値であるD50は約10μmです。
細かく粉砕する目的は、栄養成分を増やすことではありません。
桑の葉そのものを、できるだけ口当たりよく摂取しやすい粉末にするためです。
また、気流式粉砕を採用することで、桑の葉を必要以上の高温へさらさず加工することを重視しています。
製造方法については、「山麓園の熊本県産桑の葉パウダー|気流式微粉砕で、きめ細かく仕上げる理由」で詳しく紹介しています。
桑の葉パウダーの注意点
桑の葉パウダーは食品ですが、健康によさそうだからといって大量に摂ればよいものではありません。
桑葉を使ったヒト試験では、
- お腹の張り
- ガス
- 軟便
などの消化器症状が報告された例があります。
特に、
- 胃腸が弱い方
- 初めて桑の葉パウダーを飲む方
- 糖尿病治療薬やインスリンを使用している方
- 医薬品を継続して服用している方
は注意が必要です。
特にDNJは食後血糖との関係が研究されているため、糖尿病の治療を受けている方が健康目的で積極的に摂取する場合は、医師や薬剤師へ相談してください。
桑の葉の飲みすぎや向かない人については、「桑の葉茶のデメリットは?飲みすぎ・注意点・向かない人を解説」でも詳しく紹介しています。
よくある質問
桑の葉パウダーで一番注目されている効能は何ですか?
研究面で比較的多くヒト試験が行われているのは、DNJを中心とした糖質・食後血糖との関係です。
ただし、研究ではDNJ含有量を調整した桑葉粉末や桑葉エキスも使用されています。
一般的な市販の桑の葉パウダーを飲めば、研究と同じ結果になるという意味ではありません。
桑の葉パウダーには食物繊維がありますか?
桑葉は繊維質を多く含む植物です。
研究では乾燥桑葉粉末のNDFが27.60~36.66%と報告されています。
ただし、NDFは日本の食品表示における「食物繊維」と同じ測定値ではありません。
粉末の場合は桑の葉そのものを摂取するため、ティーバッグよりも葉の繊維質を摂取しやすいことが特徴です。
桑の葉パウダーは血糖値を下げますか?
DNJを含む桑葉素材を使った複数のヒト試験で、食後血糖や血糖関連指標への影響が報告されています。
ただし、研究で使用された素材、DNJ量、対象者などはそれぞれ異なります。
「市販の桑の葉パウダーを飲めば誰でも血糖値が○mg/dL下がる」とは言えません。
桑の葉パウダーと青汁は同じですか?
「青汁」は緑色の植物を粉末や飲料にした食品の総称で、大麦若葉、ケール、明日葉など原料はさまざまです。
桑の葉パウダーも、桑の葉を丸ごと粉末にして飲むという意味では、青汁の一種として利用できます。
桑の葉ならではの特徴はDNJを含むことです。
桑の葉パウダーとティーバッグではどちらがよいですか?
目的によります。
葉そのものの繊維質や栄養も摂りたいならパウダー。
粉っぽさが苦手で、お茶として気軽に飲みたいならティーバッグ。
と考えると分かりやすいでしょう。
DNJは水に抽出されるため、「DNJなら必ず粉末の方がよい」とは言い切れません。
桑の葉パウダーは毎日飲んでも大丈夫ですか?
健康な方が食品として適量を取り入れるのであれば、毎日飲むことを過度に心配する必要はありません。
ただし、健康効果を期待して大量に摂る必要はありません。
体調に違和感が出た場合は量を減らすか飲用を中止してください。
まとめ|桑の葉パウダーの魅力は「DNJ+葉そのものの栄養」
桑の葉パウダーについて研究結果を整理すると、その特徴は大きく2つあります。
一つ目が、桑の葉に特徴的な成分DNJです。
DNJについては食後血糖との関係を調べた複数のヒト試験があり、2023年には12試験・615人をまとめたメタ解析も発表されています。
そしてもう一つが、
桑の葉そのものを丸ごと摂取できること。
桑の葉には、
- 繊維質
- カルシウム
- 鉄
- β-カロテン
- たんぱく質
- ポリフェノール類
など、さまざまな成分が含まれています。
ティーバッグは水に溶け出した成分を飲む方法ですが、パウダーは茶殻を残さず葉そのものを摂取します。
つまり桑の葉パウダーは、
「DNJが研究されている健康茶」という側面と、「緑色の葉を丸ごと食べる植物食品」という二つの特徴を持っています。
ただし、
「栄養豊富だから大量に飲めばよい」
「研究で血糖値への影響があったから、市販の商品でも必ず同じ効果が出る」
というものではありません。
研究で分かっていることと、一般的な食品としての桑の葉パウダーを区別しながら、毎日の食生活の中へ無理なく取り入れるのがよいでしょう。
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熊本県産桑の葉を約10μmまで微粉砕する工程を紹介しています。
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参考文献
- Kimura T, et al. Food-grade mulberry powder enriched with 1-deoxynojirimycin suppresses the elevation of postprandial blood glucose in humans. Journal of Agricultural and Food Chemistry. 2007.
- Thaipitakwong T, et al. A randomized controlled study of dose-finding, efficacy, and safety of mulberry leaves on glycemic profiles in obese persons with borderline diabetes. 2020.
- Cui W, et al. Effect of mulberry leaf or mulberry leaf extract on glycemic traits: a systematic review and meta-analysis. Food & Function. 2023.
- Srivastava S, et al. Nutritional quality of leaves of some genotypes of mulberry (Morus alba). International Journal of Food Sciences and Nutrition. 2006.
※桑の品種、収穫時期、加工方法などによって成分量は異なります。また、研究で使用されたDNJ含有量を調整した桑葉粉末・桑葉エキスと、一般的な市販の桑の葉パウダーは同じものではありません。

