お茶は、なぜ「やぶきた」が多いの?
タイトルに記したとおり、日本全国のお茶の約75%、静岡県に限っては約90%が「やぶきた」という品種です。
やぶきたとは?
やぶきた種は静岡県で選抜された品種で、名前の通り、竹やぶの北に植えたものを「やぶきた」、南に植えたものを「やぶみなみ」と品種登録していたことが由来です。
それまで日本各地のお茶の木は、在来種で各地で品質や特徴に大きな違いがありました。というのも、お茶は同じ品種、同じ木では、受粉しにくい性質で、次に種ができるのは、違う品種とのかけ合わせになるわけです。それで、それまで全国では種から育つ統一性のない土着の在来種が主でした。そこに、非常に優秀だった「やぶきた」が発見され、挿木が始まりました。
なぜ、やぶきたが多いのか?
やぶきたの品種登録と栽培が始まり、国の推奨品種となったことで、全国に広がっていきました。現在でも大半がやぶきた種なのは、その理由からです。
お茶の品質は摘むタイミングにある
お茶の葉の品質は、芽の大きさ、収穫のタイミングによって決まるものです。
良質な茶は、一伸二葉または、三葉と言われるのは、このことです。
最適な摘採時期より数日遅れれば、葉は、硬くなり品質は大きく低下します。農家さんが一日で摘むことができる面積は限界があり、数日ですべての茶畑の新芽を摘み、それらをすぐに荒茶に加工することはできません。春先は雨の日も多いため(雨の日に摘んだ荒茶は、「雨葉と呼ばれ」品質が著しく低下する場合があります)止むをえず、摘めない日も出てきます。結果、大きく育ってしまった茶葉は、収量としては増えますが、品質や価値(単価)は大きく低下します。
そこで、やぶきたと比べ早生品種や晩成品種も栽培し、収穫時期をずらすことで効率よく、品質の高い茶葉を摘むということが推奨されています。
ゆたかみどりやさえみどりは、早生品種として品質が高く、晩成品種では、おくみどりやおくゆたかなどは、評価されています。
当然 今後も、品種改良が進んでいきます。これまでも、推奨されてきたことです。
やぶきたの信頼性がやぶきた神話を作り上げた
なぜ、それでもやぶきたが、未だに7割以上を占めるのでしょうか?
やはり、それは、やぶきた種には、これまでの信頼性があるからです。
消費者の皆様は、毎日飲むお茶、ほぼ同じ味のお茶を、皆さんは気に入って飲まれます。
味が変わると、お客様が離れていくのではないかとお茶を製造するお茶屋さんは、味の均一化を図ろうとします。
やぶきたが多くの割合を占めるので、茶業者にとってみれば、やぶきたが信頼性も高く安心なのです。熊本の茶取引でも、茶葉(芽)の品質は同じくらいでも、やぶきたでない品種は、半分くらいの価格がつくこともあります。品種が変われば、火入れ具合や仕上げた際の味が想像と異なるなど、仕入れる茶業者にとってリスクが高まります。
一方、農家としても、やぶきたでないという理由でせっかく育てた茶葉が安値で買われてしまえば、面白くありません。
となると、やぶきたがいい!という結論になります。
このような理由から、やぶきた絶対神話がなかなか崩れないのです。
現在は、やぶきたよりも評価される「さえみどり」も登場しています。さえみどりは、数割高い値段で取引されています。渋みが強いお茶より甘みあるお茶が消費者にも受けが良く、評価されてきていますので、今後はやぶきたの割合も徐々に減ってくると思われます。
やぶきた種と日本茶のあるべき未来について
日本茶は、日本が誇る素晴らしい飲料であり、文化ではないでしょうか
昔は、飲み物は緑茶にほぼ限られた時代から、飲み物がコーヒー他様々なペットボトル飲料など多様化し、飲み物としての緑茶の割合は、低下しています。
それと同じように、「やぶきた」一辺倒な時代から、緑茶も多様性を発揮し、様々な緑茶の魅力を発信し、伝えていくことが、日本茶の発展につながると考えます。
日本茶は、味や美味しさだけでなく、特保や機能性表示食品もあります。健康飲料としてのアプローチも消費者にとってメリットとなることでしょう。
・緑茶の機能性表示食品の例 べにふうき茶 花粉症やアレルギー疾患に作用する
やぶきたは、今後も日本茶のベースとして存在し続け、一方で他の品種も日本茶の品質向上と多様性のためにうまく共存してほしいと期待します。
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