隠れたお茶の名産地 美里町
知られた熊本の茶生産地
熊本のお茶の産地は全国的にあまり知られておらず、県内でも矢部茶、岳間茶、人吉茶などくらいしか認知されていないことは、お話ししました。
「くまもと茶」という名称は、同じ熊本県内の商標で言うと、「デコポン」と同じように既に商標登録されているため、実は一般企業では使えません。(知らずに使っている人も多いですが・・・)
熊本のお茶取引で最も高値のつくお茶
そこで、熊本県内の経済連の入札で 最も高値がつくお茶は、どこの産地だか知っていますか?※ちなみに…入札とは、各生産地で摘まれた荒茶が、組合や生産者名で出品され、そのお茶に最高値を付けた茶商が買い取るというシステムです。九州は、鹿児島県や熊本県ではクローズの入札式、嬉野ではセリの形式で行われます。
熊本県は、その実、栽培面積が全国4位~7位と言われるお茶の名産地であることもお話ししました。例えば、相良村や球磨地方のお茶は生産量が県内で最も多いですが、産地ブランドがあまり知られていません。相良茶と言っても、残念ながらピンとこない人が多いのが現状です。
そこで、知られざる産地の魅力をご紹介します。
熊本県で、毎年最も高い評価を得るのは、美里町(旧,中央町)のM氏のお茶です。
初入札で最高値を付けた業者は、賞状のような証書をもらえますので、高値を付け落札したお茶の証書を店内に飾っておくと県内最高のお茶を扱っている店舗といえます。ブランディングとしても役立つため、県内茶商の理事長(など)が広告費や御祝儀としてわざと高い値段をつけて最高値を出すのが、風習となっているようです。
それでも、当然県内トップ生産者として知られるM氏のお茶が選ばれます。
M氏のお茶は、茶葉は若芽で形が整っていて、旨味が強く、水色もいい。非の打ちどころがない良いお茶です。好みや贔屓はありますが、誰が見ても評価は高いお茶でしょう。さえみどりなんかは、末端価格で2000円~3000円で販売されていると思います。
そんなお茶が、一般の方には産地としては無名でしかない美里町(旧中央町)のお茶なのです。
一方で ブランディング(賞状)のためのお茶が、あまり知られていない産地のお茶というのも、面白い話かもしれません。
しかし、美里町には素晴らしいお茶があることを是非お分かり頂きたいのです。
美里町には、日本一の石段もありますよ。←私もよく登っています。
以上、以外にも美里町には知られざる県内一と称されるお茶があるというお話でした。