「おくゆたか」という品種は、どんなお茶?

おくゆたかの魅力と特徴について

 

「おくゆたか」とは?

お茶の品種の一つです。

栽培面積が全体の75%が「やぶきた」という品種ですが、次いで多いのが「ゆたかみどり」という品種。

ゆたかみどりは、温暖な気候で育つ早生品種として鹿児島県の代表品種として人気です。「おくゆたか」は、種子親の「ゆたかみどり」と花粉親の「F1NN8」と交配して誕生し、1983年に茶農林34号として品種登録されました。(「F1NN8」は「たまみどり」の選抜種です。)

親のゆたかみどりは、早生品種の代表ですが、おくゆたかは、逆で、やぶきたよりも6日ほど摘採適期(最適な摘むタイミング)が遅い中晩生の品種です。摘採適期が短いので、タイミングを外さないように積む必要があります。

「おく」と名前のつく品種は、中晩生、晩生の品種なのも覚えておくとよいでしょう。

面積当たりの収穫が多く、病気にも強いので、やぶきたと収穫期も異なることから、佐賀県をはじめ、推奨品種とされています。しかしながら、まだ、栽培面積が全体のほんの1%にも満たない希少な品種と言え、一般のお店などで見かけることはほとんどないでしょう。

親のゆたかみどりが、被覆栽培(かぶせ茶)に適し、深蒸し茶に向いている特徴は、おくゆたかも同じです。

・参考記事:ゆたかみどりについて

・参考記事:やぶきたやその他のお茶の品種ついて

 

おくゆたかのお茶の特徴

水色は、深蒸しにすると良好なグリーン色になります。葉も厚いので、あさつゆなどに比べると茶葉の形状も綺麗です。

ゆたかみどりと同じように、芳醇な香りが特徴です。主要品種のやぶきたとは異なった風味で、うま味も多く、後味がすっきりで爽やかなのが好感が持てます。

全体的に品質が良く、どちらかというと玄人向きの風味ではあるものの、同じく晩生の「おくみどり」よりも飲みやすさがあり、一般の方でも違和感なく美味しく飲めるお茶ではないでしょうか?

個人的には、好きな品種の一つです。鹿児島県では、おくみどりを紅茶として仕上げる農家さんも見かけました。紅茶としても香りに優れ、飲みやすさがありました。

 

お茶の山麓園では、人気産地、知覧茶の「おくゆたか」を販売しています。価格的には、安価な方ですが、品質に優れています。

知覧茶のおくゆたか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楽天やヤフーショッピングでも販売しています。単品購入よりも、福袋でセット購入の方がお得になっています。

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お茶の優良品種「つゆひかり」

つゆひかりとは?

宇治在来種で天然玉露とも称される「あさつゆ」と「静7132」を交配し、2003年に品種登録されたお茶の品種です。実は、品種登録前に既に優良であるとわかっていたため、2001年に静岡県茶奨励品種として採用されていた有望株でもあります。

つゆひかりの特徴

渋みが少なく、抹茶のように濃い水色になる「あさつゆ」が花粉親となっているため、つゆひかりも明るいグリーン色をしています。種子親の静7132は、やぶきたの自然交雑実生であるため、やぶきたのさわやかさがあり、あさつゆよりも飲み応えのある、しっかりとした味を楽しめます。茶葉は細めですが、あさつゆよりも粉っぽくなりません。多収性で品質もやぶきたと同等かそれ以上と言われています。

他に、似た品種として、やぶきたとあさつゆを交配させた「さえみどり」という品種もあります。静7132もやぶきたの自然交雑なため、姉妹品種か異母兄弟のようなところもあります。

生産量はまだ少なく、希少

栽培面積も年々増えて、80haを超えていますが、全体的には0.3%くらいとまだまだ希少な品種となっています。販売しているお茶屋さんも限られています。興味のある方、試してみたい方は、ネットで検索してみるとよいでしょう。

 

熊本産のつゆひかり

写真:2019年熊本産のつゆひかりの一番茶 参考価格100g 800円

楽天市場でも販売中

さえみどりがお茶の中で最も高級?! 品種別に検証しました

お茶の生産量が日本一の産地である静岡県。実は、静岡県では90%以上が「やぶきた」という品種を生産しています。静岡県で発見され、生産性が安定し香味に優れた品種であることから、1955年に静岡県の推奨品種になったことがきっかけです。やぶきた種は全国的にもその後急速に広まり、現在では生産量の75%を占める言われています。

しかし、お茶の品質は摘むタイミングが重要で、一度に収穫できる量も限られていることから、早生品種や晩成品種なども推奨され、また、嗜好品であるため味わいの多様性も必要なことから、様々な品種が存在しています。

登録品種だけでも72種以上あり、品種改良によって優良品種も多く誕生し、やぶきた以外の人気品種も増えてきました。

図2-4-15 茶園面積の品種別割合(平成24(2012)年度)

 

そこで、どんなお茶の品種が消費者にとって価値が高いか?ということをテーマに検証してみました。お茶を買う時の目安にしていただければ、幸いです。

先程、説明のとおり、静岡県はやぶきた種が圧倒的に多いため、第2位の生産地であり、やぶきた種の依存性の低い鹿児島県のデータを元に主要7品種の価格差を調査しました。

品種名 令和元年(2019年) 平成30年(2018年) 2年間平均
ゆたかみどり 129% 111% 120%
さえみどり 187% 153% 170%
あさのか 124% 113% 119%
あさつゆ 126% 116% 121%
やぶきた 100% 100% 100%
かなやみどり 80% 82% 81%
おくみどり 119% 131% 125%

*上の表はやぶきた種を100とした場合の価格の割合です

年度によって茶品種の出来具合(品質差)や相場(収量と需要)が異なるため、2018年と2019年産の一番茶で比較しました。

「さえみどり」が2年平均でやぶきたと比べて170%の平均価格となっていることから、最も高値で取引されている品種であることがわかります。次いで2年平均が125%である「おくみどり」、そして「あさつゆ」、「ゆたかみどり」、「あさのか」は2年平均にすると、ほぼ同じで120%前後となっています。

逆に「かなやみどり」は81%と大きく安値で取引されていることがわかります。

価格価値は、希少性や需要によっても大きく変わるため、価格=品質と同じというわけではありませんが、やぶきたの1.7倍のさえみどりが群を抜いて高価な品種と言えます。ある機関の報告書でも55品種中で「さえみどり」が最も高い評価を得たことから、価格価値と品質価値において高価で高品質な品種と言えるでしょう。

右:さえみどりと左:あさつゆの茶葉の画像

意外なことに、天然玉露と呼ばれる「あさつゆ」が生産量の多い「ゆたかみどり」と同額なのは、老木化が原因の一つと考えられます。残念なことに、年々「あさつゆ」の品質の低下を感じられます。

・高級品種さえみどりについて詳しい情報

・鹿児島県代表品種ゆたかみどりについて詳しい情報

このほかにも、「つゆひかり」「さえあかり」「きらり31」他、優秀な新品種が多く誕生してきていますが、まだまだ生産量が十分でなく、比較できるほどの収量でないため、これからに期待です。さえみどりを親にもつ品種も増えてきているため、「さえみどり」を超える新品種となるかが楽しみです。

以上、どんなお茶の品種が最も高価なのかの検証でした。

*表のデータは、品種の多様性のある鹿児島県に限定していて、全国版ではないこと、最新の2年間という期間の短いデータであることは、ご留意ください。また、高価なお茶をテーマとしているため、2番茶以降のデータや比較はありません。