2020年お茶の生産量は、静岡県を抜いて鹿児島県が1位(日本一)になる?!本当か? 検証しました‼

2020年鹿児島県が日本茶の生産量1位になる見込み。変革の年!

富士山と茶畑(静岡県)

長年(半世紀以上)静岡茶は、お茶の生産量ランキング1位に君臨していた

お茶といえば、静岡県が何十年も生産量が1位でした。しかも、お茶の生産量のピークであった平成初期には、2位の鹿児島県の3~4倍の生産量を誇り、圧倒的な大産地でした。特に関東の方なら、静岡茶は絶対的な産地ブランドとして馴染みもあり、同時に人気を誇っています。知覧茶他、鹿児島茶も産地ブランドとして確立してきているものの、小学校から教科書で習ってきた、お茶=静岡のイメージは、静岡県(山梨県)にある富士山が日本一なのと同じくらい日本国民の常識となっています。

湯呑 緑茶

しかし、それが2020年、常識が変わるかもしれないという局面に来ています。昨年も2019年に日本茶生産量、日本一が鹿児島県になるかもしれないという記事を書きましたが、それにも増して今年は、静岡県にとって長年続いた王座が危うい状況になっています。

 

昨年(2019年)のお茶生産量 都道府県別ランキング

j順位 都道府県 生産量(トン)
1 静岡 29500
2 鹿児島 28500
3 三重 5910
4 宮崎 3510
5 京都 2900
6 福岡 1780
7 熊本 1270
8 佐賀 1240
9 埼玉 881
10 愛知 832

出典:e-stat 作物統計(2020年6月25日公表)

1位の静岡県と2位の鹿児島県が僅差で3位の三重県と大きく差が開いている。

2020年静岡県の一番茶の生産量について

静岡新聞によると、2019年は天候不順が重なり、「記録的減産」となったそうです。2020年は、それにも増して2019年の15~20%の減産になる公算が大きいことがわかっています。今年は、新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言の最中に新茶のSALEなどは出来るはずもなく、多くの茶業者が苦戦を強いられています。噂ですが、一番茶も買い手がつかず、静岡県などは、公的機関が買い支えている(本当か?)という情報もあります。6月より始まる二番茶も売れ残る可能性が高く、調整(減産)を呼び掛けているそうです。

・参考記事:静岡新聞・静岡茶一茶、初の一万トン台割れも、過去最低

2020年鹿児島県の一番茶、生産量について

鹿児島県、JA県経済連によると、一番茶の取引量は、昨年対比で96%と4%程度減少しています。(本茶は5%減少)

令和2年度取引量 令和元年度取引量 前年対比
 4659トン 4830トン 96%

※鹿児島 JA県経済連ちゃぴおん情報第8報 令和2年6月1日 より

茶市場(JA県経済連)の取引量=鹿児島茶全体の生産量 ではないものの、減産率が平均で4%と考えると、他の地域よりも減少幅が少なかったと言えるでしょう。

・ちゃぴおん JA鹿児島経済連 茶事業部

2020年一番茶 生産量減少の主な原因

生産量減少の理由は、昨年12月~今年3月までの暖冬、4月に入っての強風、気温が上がらず低かったこと、雨が少なかったことが原因で、新芽の生育が抑制されたことが主な原因でした。2019年も大幅な減産となりましたが、2020年はそれにも増して厳しい状況が続いていて、静岡県だけでなく、全国で同じく減産となっているようです。

天候不順だけでなく、農家の高齢化や後継者不足による廃業も一因としてあります。慢性的な緑茶需要の低下から、価格の下落傾向は続いていることが拍車をかけています。とりわけ2020年は、コロナウイルスの影響もあって特に価格(キロ単価)の下落が激しいものでした。

 

2019年の静岡茶と鹿児島茶の生産量を比較

2019年 県別 荒茶の生産量及び割合 農林水産省の発表

 

農林水産省の発表では、2019年の静岡県、鹿児島県の荒茶生産量の差がなんと、1500トンだったと言われています。両県とも3万トン近くの生産量があるので、5%程度の差になります。

【荒茶とは】農家が茶葉を摘んで蒸して揉んで乾燥させてもの。その後、製茶業者が荒茶を買い付け、火入れ(焙煎)や粉や茎などを選別除去し、製品として袋詰めされる

出典:農林水産統計

 

2020年予想される静岡茶と鹿児島茶の生産量

静岡県新聞の5月18日の記事をみると、静岡の一番茶は昨年比で15~20%減産という。それなら、2020年の静岡県一番茶の生産量は8000トン後半から9000トン前半になるのでは?と予想されています。ちなみに昨年(2019年)は、11000トンだったことを考えると、かなり大きな減少と言っていいでしょう。

需要の低下から、単価も5~10%落ちているので、二番茶以降も生産調整が行われ、減産が見込まれるのは仕方ないところでしょう。

そうなってくると、昨年の静岡県の年間荒茶生産量29500トンが15%減少したと想定すると25075トン10%減少で26550トンとなります。

対して、鹿児島県の昨年の荒茶生産量は2万8000トン。生産量が一番茶の減少率と同じく、5%減ったと仮定すると、26600トンの計算になります。

新型コロナウイルスの影響が今後すぐになくなることは想像しがたく、さらにはお茶が余っている状況から、現在(6月上旬)二番茶の価格の下落幅が大きいことを考えると、静岡県の荒茶生産が好転するとは、とても考えられない状況と言えます。

・関連記事:一番茶と二番茶の違い

 

追記(7/12更新):静岡茶市場の情報によると、5月末時点での静岡茶取扱量(累計)は、約940トン。昨年対比(5月末)で約19%減少。6月末時点で約1420トン。昨年対比(6月末)で24%減。大幅な生産調整もあって、さらに生産量の減少幅が大きくなっている。他産地の一例として、熊本県でも、二番茶の値段がつかず、取引会は2回のみで以降全て中止となった。

一方、鹿児島県では、JA県経済連の二番茶取引実績が、昨年対比で約26%減少。6月末時点での一番茶、二番茶合わせた累計では、14%減少という結果だった。

静岡県と鹿児島県の年間茶取扱高に6月末時点の累計減産率を掛けてみた。

※静岡茶市場や鹿児島JA県経済連の取扱量であって、静岡茶や鹿児島県全体の生産量ではありません。どのくらいの割合で減産(昨対比)しているのかを計る参考値としています。

昨年(2019年)生産量 2020年6月までの生産量 昨対比 2020年生産量予想
静岡県 29500トン 76% 22420トン
鹿児島県 28000トン 86% 24080トン

結果、1660トン鹿児島茶の生産量が上回る計算となった。ただし、鹿児島県は静岡県に比べて二番茶以降の生産量の割合が高いことから、そのまま上記のような差になるとは考えられません。さらに、三番茶も生産自粛が(鹿児島)県茶生産協会理事会などで協議されていることから、日本茶生産量一位の座は、際どい結果なるような気がします。正確な結果がわかるのは、2021年2月頃の農林水産省の発表になります。

参照データ(静岡県):静岡茶市場5月~6月取り扱い数量

参照データ(鹿児島県):鹿児島 JA県経済連 茶事業部 ちゃぴおん情報第12報、第13報

結論とまとめ

結論として、2020年、全国お茶生産量1位の座が静岡県から鹿児島県に交代する公算が高くなってきていると言えます。おそらく約100年ほど続いた、静岡県1位という、絶対的事実が変わってしまうのは、歴史、時代が変わっていくような気さえします。

昨年の減産に続く、今年の大幅な減産、茶業界にとって厳しい環境である中、この変化は、歓迎すべきことなのかどうなのかはわかりません。

ただただ、極端な減産と王座交代か?など、歴史的な年として感じます。

しかし、何か歴史的変革が起きた時こそ、新しい何かが生まれたり、好転のチャンスにもなりえます。

鹿児島県 知覧町ゆたかみどり

やぶきた(静岡県は9割)一辺倒だったこれまでのお茶の常識から、多様多品種を栽培する鹿児島県がリーダーシップを発揮し牽引することで、今後の発展のきっかけとなるかもしれません。

関連記事:やぶきた神話、なぜやぶきたばかりなのか?

 

べにふうきゆたかみどりさえみどりも品種によって成分や効能も変わることで、高機能品種茶としてテレビやメディアで紹介されたこともあります。

病気に強い、収量の多い品種が、生産量を支え、味と品質の高い品種が、茶の需要を喚起する。1位の座が鹿児島県に代わることで、このような展開につなげていく可能性は、十分に高まると期待できます。

 

筆者も茶業界の一員として、明るい未来に貢献できるように取り組んでいけたらと思っています。

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2019年日本一の茶の生産地は鹿児島県?時代が変わりつつある⁈

2019年に、静岡県に代わって、鹿児島県がお茶の生産量1位になるかもしれない

2019年8月、静岡茶と鹿児島茶に詳しい方から、ある情報が届きました。

2019年は鹿児島県が静岡県を抜いて、生産量が1位になるのではないか?という話(噂)が出てきています。半世紀以上、いやもっと前から、不動の茶生産量1位の静岡県が1番でなくなるということは、衝撃過ぎて、本当のことなのか信じられません。

そこで、近年の生産量や今年の状況を踏まえて、静岡県から鹿児島県へ1位の交代がありえるのか検証してみました。

府県名 昭和50年 昭和60年 平成7年 平成17年 平成27年 平成28年
静岡県 699 778 744 652 306 305
鹿児島県 88 145 250 302 227 265
三重県 90 85 92 101 87 88
京都府 49 67 64 84 83 89
福岡県 41 51 59 61 45 45
全国 1271 1491 1519 1472 907 960

10年ごとの茶産出量の推移 グラフ

※上の表は10年ごとに集計したお茶の産出額です。生産量ではないのでご注意ください。

昭和50年頃は、静岡県が圧倒的な産出額となっていて、平成4年をピーク徐々に減少傾向にあります。平成17年から27年の間に急激に半減以下となっています。一方鹿児島県は、平成17年まで順調に産出額が増え、平成27年は若干落ちていますが、翌年平成28年にはまた増えて、静岡県との差がほとんどなくなってきています。このことより、静岡県の圧倒的な勢いがここ十数年のうちに減退が続き、逆に鹿児島県は順調に増えている結果となっています。

出典:静岡県「ふじのくに」公式データより

 

 

静岡県の茶生産量(相対)の減少の原因

別のデータでは、一人あたりの購入金額が平成20年を境に、急激に減少しました。価格の下落とともに、生産量も減り始めています。客単価が減ると生産者の収益が下がり、意欲も減ることから、生産量と単価はデータでも連動しています。以前は、鹿児島県産茶は、他の産地のお茶にブレンドされ、宇治茶や静岡茶の原料という立場で単価も安いものでした。しかし、八女茶を発端とした産地偽装問題が指摘され、鹿児島県産茶は、「かごしま茶」や「知覧茶」などの産地ブランドとして販売するようになり、ブランドも定着しつつあります。近年では、鹿児島茶と静岡茶の単価の差はほぼなくなっています。

さらに、過去の圧倒的な生産量と圧倒的な消費地である関東圏に近い静岡県では、製茶会社が全国の5割ほどあり、鹿児島県は、約6%と圧倒的な差があります。生産量が減ってきている静岡県の製茶会社は、競争激化で社員一人当たりの利益が非常に低くなっていて、製茶産業として元気がなくなってきていることも要因と考えられます。

社員一人当たりの月間利益生産金額:静岡県1万5000円、鹿児島県6万5000円
※出典:製茶業、静岡の利益率が鹿児島より低い意外な理由

しかし、近年の輸送コスト沸騰(数年で2倍以上)により、消費地である関東に近い静岡茶よりも輸送コストが多くかかることが鹿児島県茶商の悩みとなっています。

最近の静岡茶の生産量と価格の推移

2018年には、静岡県のキロあたりの荒茶平均価格が1946円(前年比16%マイナス)と30年で最も安値となっていました。2019年は、20%ほど生産量が減ったにもかかわらず、平均価格は10%ほど下落しているそうです。

これだと、2番茶以降のお茶の価格も大幅に下落することが懸念され、相場の調整のため、お茶を摘まないという選択をする農家さんも多く出てくると思います。そうなると、2019年の静岡茶の二番茶以降の生産量も、もっと減る可能性も出てきます。

 

2018年の県別のお茶の生産量

県  名 栽培面積 ha 生葉収穫量 t
主産県計  33,300 383,600
埼玉  657 4,040
静岡  15,100 150,500
愛知  468 4,190
三重  2,690 30,200
京都  1,400 13,800
福岡  1,440 9,600
佐賀  723 5,660
長崎  578 3,640
熊本  1,020 6,120
宮崎  1,190 18,100
鹿児島  7,990 137,700

お茶の県別生産量 平成30年 グラフ

出典:農林水産省『作物統計調査』

 

今年(2019年)の春は、寒さが続いたため、(温暖な鹿児島県はそれほどでもなかったですが)静岡県の一番茶は霜の被害にあったという話もありました。

品種茶は相場も高く推移しましたが、やぶきた茶は鹿児島県の一番茶で10%下落しました。静岡県で価格が下がったことが原因と考えられます。

2019年、2018年鹿児島県の品種別価格の推移は別記事で紹介

2019年の茶生産量はどうなるか?

2018年の静岡県の生産量が150500トン、一方鹿児島県が137700トン。もし、静岡県が10%減産したと想定すると、135450トンになります。そして、鹿児島県の茶生産量が増産か昨年と同じ水準であれば、静岡県の生産量を超えることになります。

このように考えると、鹿児島県が2019年に茶の生産量が1位になるとの噂も否定できません。ちょうど今年から令和の時代が始まりました。お茶の歴史も元号が変わるのと同時に、入れ替わりが起こるかもしれません。

いずれにしろ、静岡県減産で入れ替わるのではなくて、茶業界の発展上の入れ替わりであってほしいところです。

2020年7月追記:令和元年(2019年) 荒茶生産量 都道府県別ランキング

j順位 都道府県 生産量(トン)
1 静岡 29500
2 鹿児島 28500
3 三重 5910
4 宮崎 3510
5 京都 2900
6 福岡 1780
7 熊本 1270
8 佐賀 1240
9 埼玉 881
10 愛知 832
11 長崎 693

出典:e-stat 政府統計窓口

結果として、2019年お茶の生産量は、静岡県が1位でした。

関連記事:2020年主要県別お茶の生産量

 

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お茶の種類 一覧 お茶の全てがわかる!詳しく解説

お茶の種類の一覧表 わかりやすく解説!

お茶の種類を分かりやすく網羅した図です。

↑図お茶の種類の一覧

 

お茶のほぼすべての種類をわかりやすく図にしました。

※そもそも、お茶とは、ツバキ科の植物で学名「カメリア・シネンシス」という木の葉っぱを使った飲料(食品)です。ツバキ科なので、椿の花に似た白い花を咲かせます。

白い花が咲いているお茶の木

「茶」と名前のつく飲料、例えば、「麦茶」や「ルイボス茶」、「グァバ茶」などは、カメリア・シネンシスの茶葉ではないため、厳密にいうと茶ではないのです。強いて言うなれば、お茶風の飲料です。しかし、お茶というと日本茶だけを思い浮かべるかもしれませんが、緑茶だけでなく、烏龍茶や紅茶などは、同じお茶の葉(カメリア・シネンシス)を使ったものなので、全てお茶に分類されます。

 

お茶(印※1)は、大きく、※2不発酵茶(緑茶)、※3半発酵茶(烏龍茶)、※4発酵茶(紅茶)、※5後発酵茶(プーアル茶)など、発酵の度合いや方法で分類されます。

・詳しくは、「日本茶、烏龍茶、紅茶は同じお茶の葉から作られる」を参照ください

 

  • 日本茶(緑茶)の種類

図の※印ごとに解説

※6蒸し製法:日本茶独特の製法

蒸し製法の日本茶

日本で生産されるお茶のほとんどは、不発酵茶の緑茶です。緑茶の種類は大きく、「蒸し製」と「釜炒り製」がありますが、日本茶のほとんどは、蒸し製法になります。(釜炒り茶の生産割合は、全体の1%以下と ごくわずか。)

お茶の葉は、摘んでそのままにすると酸化酵素が働き、酸化発酵が進んでいきます。日本茶(緑茶)は酸化発酵が進まないように、摘んだ葉をすぐに蒸します。蒸した後に揉んで乾燥させます。

工程:蒸す(蒸気をあてる)→粗揉(かくらん)→揉捻(しっかり揉む)→中揉(乾燥させつつ揉む)→精揉(煎茶の形に整える)→乾燥→荒茶の完成

荒茶が出来上がると、元の生葉の約5分の1の重さになります。

 

※7露地栽培 被覆栽培

左:被覆した茶畑 右:露地栽培の茶畑

お茶を摘む前の茶畑をご覧になったことはありますか?黒い覆いが茶畑一面に被せてある光景を見ることができます。覆いを被せることを、被覆栽培と言い、そうしてできたお茶の総称を「覆い茶」と言います。「かぶせ茶(※11)」とは、被覆栽培の煎茶のことです。抹茶の原料である、碾茶(※13)や、高級茶として知られる玉露(※12)も、覆い茶に分類されます。玉露や碾茶は、通常のかぶせ茶よりも被覆期間が長く、2~3週間ほどで、高級な品は、黒い覆いでなく、茶畑に棚をつくり上に藁などをかぶせた伝統栽培でつくられます。それらは、機械でなく、良い芽だけを手摘みされるため、良質で高価になります。玉露の主な産地は、福岡県八女市です。

一方、被覆しないで、日光を葉にしっかり当てて栽培するお茶を露地栽培(※7)と言います。

かぶせ茶や玉露などの露地栽培のお茶は、露地栽培のお茶と比べて、うま味成分が多く、まろやかな味わいとなり、葉緑素(クロロフィル)が増すことで、お茶の色も深い緑色になります。また、覆い香と呼ばれる青のりに似た香りがします。露地茶は、しっかりとした渋みとさわやかな香りが特徴です。

 

碾茶とは?

前述の通り、抹茶の原料となる茶葉です。玉露と同じように栽培されたお茶ですが、玉露は蒸して揉み、煎茶と同じ要領でつくられますが、碾茶は蒸した後に揉まず、乾燥させるため、青のりやあおさのような形をしています。抹茶は、碾茶を石臼で挽いたものです。愛知県西尾や京都宇治が主な産地です。福岡県八女市(星野村、黒木町他)でも玉露の生産のノウハウを生かして、碾茶の生産が盛んになっています。

 

煎茶(※9)・玉緑茶(※10)の違いは?

ずばり、茶葉の形の違いです。まっすぐな形が煎茶、曲がった形が玉緑茶。

煎茶(荒茶)は最終工程に「精揉(せいじゅう)」という茶葉を針状に整える工程があります。玉緑茶は、精揉がなく、丸く曲がった形になります。(玉緑茶には、蒸し製玉緑茶と釜炒り茶があります。)

日本では、煎茶が主流となっていて、玉緑茶は、主に佐賀県(嬉野茶)や熊本県で生産されています。

別名として、煎茶を「のび」、玉緑茶を「ぐり」と呼ぶこともあります。

煎茶:針のような形状をしている玉緑茶(別名 ぐり茶):曲がった形状をしている

普通煎茶(※14)・深蒸し茶(※15)・特蒸し茶(※16)とは?

違いは、蒸し具合です。

普通煎茶は、通常30秒から40秒ほど蒸気を当てて製造されます。深蒸し茶は、そのおよそ2~3倍ほど長く蒸します。特蒸し茶は、さらに長く蒸したお茶です。長く蒸すことで、茶葉の成分が溶けだしやすくなり、水色は濃い緑に、味はまろやかになります。香りや渋みは、蒸しの浅いお茶の方が強くなります。

左:普通煎茶 右:深蒸し茶

関連記事:普通煎茶と深蒸し茶の違い

釜炒り茶(※7)

嬉野製 釜炒り茶 最高級品 珍しい被覆栽培 おくみどり

緑茶は、生葉を蒸してつくる「蒸し製」の緑茶の他に、ごくわずかに「釜炒り製」があることは、お話ししました。「釜炒り茶」とは、摘んできた生葉を大鍋で炒ってつくります。さっぱりとした味と釜香と言われる香ばしさが特徴です。水色は、黄色っぽく出てます。茶葉が白っぽいものもありますが、白カビではありません。逆に良質な釜炒り茶として知られています。

 

写真の釜炒り茶:嬉野製 被覆栽培した最高級品 品種はおくみどり 。

日本では、現在、九州の一部の地域(嬉野、熊本・宮崎の山間部)でのみつくられています。嬉野の釜炒り茶は、中国から伝わり大きい丸釜で炒ります。熊本・宮崎の釜炒り茶は、加藤清正の朝鮮出兵の機に伝わり、青柳茶とも呼ばれています。

中国の緑茶は、釜炒り茶です。中国茶=烏龍茶と考える日本の方も多いと思いますが、中国本土では、釜炒りの緑茶が最も多く生産されているお茶の種類になります。

 

加工茶したお茶※8

玄米茶(※18)

出来上がった煎茶などを再加工したお茶です。玄米茶(※18)は、煎茶(または玉緑茶)を半分と米を炒ったもの半分加えた混ぜ合わせたお茶です。炒った米が香ばしく、飲みやすいお茶になります。茶葉は、一般的に番茶を使用する場合が多いようです。また、玄米茶に抹茶を加えた「抹茶入り玄米茶」も人気です。

玄米茶

ほうじ茶(※19)

番茶などを高温(約300℃)の釜で炒ってつくられます。くき茶を焙じたくき(棒)焙じも同様です。茎の部分は、高温でポップコーンのように膨張して量(かさ)が増します。非常に香ばしく、近年、ほうじ茶のピラジンという成分にリラックス効果があることが知られてきました。一般的に苦くて渋い三番茶や秋冬番茶などを原料としますが、一番茶を使用したものは上質なものとされ、味わいも優れています。

ほうじ茶の茶葉 香ばしい香りが立ち込める

その他の日本茶の種類。

荒茶から仕上げ茶までの製茶工程
※図 荒茶から仕上げ茶までの製茶工程

荒茶煎茶などを仕上げる工程で、出来上がったお茶を仕上げ茶(本茶)、その他を出物と呼びます。

 

そもそも、荒茶とは?

荒茶の写真

農家が出荷するお茶を「荒茶(あら茶)」と言います。荒茶を買いつけた茶業者は、茎や粉を取り除き、火入れと呼ばれる工程で再乾燥し、一般に流通する仕上げ茶になります。

 

くき茶

取り除かれた茎の部分を多く含まれるお茶を「くき茶」といいます。地域によっては、「白折」、「かりがね」、「棒茶」などと呼びます。茎の青っぽい香りと、すっきりとした味わいが特徴です。

ぐり茶のくき茶(白折)

 

粉茶

粉茶とは、荒茶を篩(ふるい)にかけて小さい茶葉を集めたものです。お茶に出すと濃いお茶になります。お寿司屋さんの「あがり」というお茶は、粉茶のことです。最近では、粉末茶を使用する場合も多くなりました。急須で淹れると急須が詰まりやすくなるなどの欠点はあります。

・参考:詰まった急須の解決策

芽茶

茶葉の芽や葉の先端部分を集めたお茶。味は本茶に劣らず、出物のため安価な分、お買い得な面がある。

 

粉茶と粉末茶、抹茶との違い

粉茶の茶葉

 

 

 

 

粉末緑茶(挽いた茶葉)

 

 

粉茶は、細かい茶葉。粉末茶は、煎茶などを挽いたもの。粉末茶は水に溶けますが、粉茶は溶けないため、茶漉しなどを使用する必要があります。粉末茶と抹茶の違いは、抹茶は碾茶を原料とし、粉末茶は煎茶などを原料としていること。お値段的には、粉茶が安く、加工が必要な粉末茶が高価で、原料が高い抹茶が最も高価になります。

 

日本茶の分類としては以上になりますが、お茶の特色としては、産地や品種によっても大きく違いがあります。有名なお茶の産地は、静岡茶、宇治茶、狭山茶、八女茶、嬉野茶、鹿児島茶などがあります。品種は、やぶきたが最も多く、次いでゆたかみどり。高級品種として「さえみどり」などがあります。また、品種は、早生や晩成、煎茶用、抹茶用、紅茶用など、お茶の収穫時期や用途によって様々なものがあります。

参考 その他の品種:べにふうきあさつゆさやまかおりおくゆたかつゆひかり

新茶 新芽

一番茶・二番茶・三番茶・秋冬番茶とは、どんなお茶?刈番とは?

一年の最初、時期にして4月下旬~5月中旬に摘まれるのが一番茶、2番目、5月末~6月にかけて摘まれるお茶が二番茶。秋冬番茶は、文字通り秋頃に摘まれるお茶です。一番茶は、時期には「新茶」と呼ばれ、二番茶以降のお茶を総称として「番茶」と称します。

番茶の茶葉とお茶

品質的には一番茶が最も優れ、次いで二番茶、三番茶の順です。一番茶は、うま味の素であるアミノ酸を多く含み、二番茶、三番茶はカテキンが多いです。

他に「刈番」と呼ばれるお茶もあります。一番茶を摘んだ後、二番茶を摘む前に、遅れ芽を刈り揃えます。これらが、刈番です。茶葉が縒れておらず、チップ状になっている物が多く、玄米茶や安価なお茶などの原料となります。

・詳しくは、「一番茶と二番茶の違いは?」で解説しています。

・緑茶は、種類によって温度や淹れ方が違います。別ページで適温などを解説しています。

・お茶の入れ方、出し方などのマナーについては、別ページご覧ください。

 

半発酵茶(※3)とは? 烏龍茶が日本でおなじみ

烏龍茶などで知られる中国茶が、半発酵茶になります。中国では、白茶や青茶などと呼ばれます。

烏龍茶

白茶は、茶を摘んでしばらく放置して酸化発酵を促す萎凋という工程の後に乾燥させてつくる、弱発酵茶。日本では、あまり馴染みがないかもしれません。上品な香りと、甘みの残る後味が特徴。産地は、福建省で白毫銀針、白牡丹などが有名。

一方、「青茶」は、発酵度合いにして20%~80%と幅が広く、包種茶など発酵の軽いものから、凍頂烏龍茶や鉄観音(発酵が中程度)、さらに発酵が進んだ東方美人などがあります。半発酵茶でも発酵が軽いものは、緑茶のように黄色みかかったグリーン色をしています。半発酵茶である青茶は、中国の福建省や台湾などで生産されています。

お茶を摘んで、時々錯乱してしばらく放置し(萎凋)、その後揉んで発酵を進めてから、乾燥します。

半発酵茶は、発酵による香りの変化が楽しめます。

 

発酵茶(※)とは? 最も世界で飲まれているお茶

紅茶と茶葉

発酵茶とは、いわゆる紅茶のことです。世界で最も多く飲まれているお茶です。元々は中国が発祥でイギリス人に好まれたことから、やがて植民地でも生産されるようになり、世界中に広がりました。

最も、発酵が進んだお茶で、最も香りが高く、お茶の色合いは赤褐色です。これは、カテキンが酸化によってテアフラビンやテアルビジンなどに変化することで起こります。

インドのダージリン、アッサムやスリランカ、ケニアなどが生産量の多い地域です。

紅茶は、ストレートで飲むだけでなく、砂糖を添加するほか、ミルクティー、ハーブティーなど多様な飲み方があります。

紅茶の等級

また紅茶は、形によって等級(品質でなくあくまで形状)が分かれています。好みに合った産地と等級を選ぶとよいでしょう。

 

・参考:紅茶がつくられる工程の解説

・参考:スリランカの紅茶について

後発酵茶(※) 微生物で発酵させたお茶

雲南省 プーアル茶 茶葉

これまでお伝えしたのは、酸化発酵によるお茶の種類でしたが、後発酵茶は、カビ(菌)やバクテリアによる発酵によってできるお茶のことです。あまり馴染みがない方には、カビ(菌)や微生物と聞くと印象が悪く聞こえますが、お酒や味噌の「こうじ」や漬物のように考えてください。

中国では黒茶と呼ばれる、プーアル茶(普洱茶)が主な後発酵茶です。主に雲南省で生産されています。まず、中国の緑茶(釜炒り茶)と同じように、炒って酸化発酵を止め、その後、茶葉を積み上げて水をかけ、多湿状態にし、20日くらいカビ付け発酵させ、天日干し(乾燥)して出来上がります。普洱茶は熟茶と生茶がありますが、後発酵茶は「熟茶」の方です。脂肪分解酵素が多く、油を多く使用する中華料理に適したお茶です。

 

日本にも、ごくわずかでほとんど流通していませんが、後発酵茶があります。碁石茶(※27)や阿波番茶(※28)、バタバタ茶などです。碁石茶は、その名の通り碁石のような形をしており、最初にカビを付けて、その後漬物と同じように樽に入れて石を載せ、数週間後に天日干しして完成です。

阿波番茶は、最初から漬物のようにして作ります。

カビを付けるお茶は、カビっぽい香りがし、漬物のようにして作るお茶は、漬物のような酸味があります。いずれも特徴のあるお茶です。

 

 

まとめ

お茶は、ツバキ科のお茶の木から摘まれたもので、発酵の有無や程度、加工によって様々で多くの種類があることがわかると思います。ここでは、日本茶について多く解説しましたが、その一つ一つが奥深く、産地や品質によっても違いが大きいことを心に留めておいてください。本当に様々なお茶があるので、好みや気分に合わせて、お茶を飲み合わせるのもよいでしょう。

日本茶は、日本食に合い、中国茶は、中華料理に、紅茶は洋菓子と相性が良いのも、それぞれの風土と食文化が、お茶のスタイルを作り上げてきたからでしょう。日本茶は、中国やヨーロッパだと、軟水と硬水の違いなどで本来の味を発揮できません。中国茶や紅茶は、硬水でも美味しく飲めるように、香りを重視したお茶になっています。

このようにお茶は千差万別で、飲まれる国や地域によって様々な種類があります。アジア・ヨーロッパなど歴史や風土を想像しながら、お茶を楽しむのも一興です。

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お茶の栽培面積75%はやぶきた種、なぜ「やぶきた」ばかりなのか?

お茶は、なぜ「やぶきた」が多いの?

 

タイトルに記したとおり、日本全国のお茶の約75%、静岡県に限っては約90%が「やぶきた」という品種です。

やぶきた種の写真 熊本県

やぶきたとは?

やぶきた種は静岡県で選抜された品種で、名前の通り、竹やぶの北に植えたものを「やぶきた」、南に植えたものを「やぶみなみ」と品種登録していたことが由来です。

それまで日本各地のお茶の木は、在来種で各地で品質や特徴に大きな違いがありました。というのも、お茶は同じ品種、同じ木では、受粉しにくい性質で、次に種ができるのは、違う品種とのかけ合わせになるわけです。それで、それまで全国では種から育つ統一性のない土着の在来種が主でした。そこに、非常に優秀だった「やぶきた」が発見され、挿木が始まりました。

なぜ、やぶきたが多いのか?

やぶきたの品種登録と栽培が始まり、国の推奨品種となったことで、全国に広がっていきました。現在でも大半がやぶきた種なのは、その理由からです。

お茶の品質は摘むタイミングにある

お茶の葉の品質は、芽の大きさ、収穫のタイミングによって決まるものです。

良質な茶は、一伸二葉または、三葉と言われるのは、このことです。

最適な摘採時期より数日遅れれば、葉は、硬くなり品質は大きく低下します。農家さんが一日で摘むことができる面積は限界があり、数日ですべての茶畑の新芽を摘み、それらをすぐに荒茶に加工することはできません。春先は雨の日も多いため(雨の日に摘んだ荒茶は、「雨葉と呼ばれ」品質が著しく低下する場合があります)止むをえず、摘めない日も出てきます。結果、大きく育ってしまった茶葉は、収量としては増えますが、品質や価値(単価)は大きく低下します。

そこで、やぶきたと比べ早生品種や晩成品種も栽培し、収穫時期をずらすことで効率よく、品質の高い茶葉を摘むということが推奨されています。

ゆたかみどりやさえみどりは、早生品種として品質が高く、晩成品種では、おくみどりやおくゆたかなどは、評価されています。

・佐賀県推奨の有望品種について

・ゆたかみどりについて

・さえみどりについて

・おくゆたかについて

当然 今後も、品種改良が進んでいきます。これまでも、推奨されてきたことです。

やぶきたの信頼性がやぶきた神話を作り上げた

なぜ、それでもやぶきたが、未だに7割以上を占めるのでしょうか?

やはり、それは、やぶきた種には、これまでの信頼性があるからです。

 

 

消費者の皆様は、毎日飲むお茶、ほぼ同じ味のお茶を、皆さんは気に入って飲まれます。

味が変わると、お客様が離れていくのではないかとお茶を製造するお茶屋さんは、味の均一化を図ろうとします。

やぶきたが多くの割合を占めるので、茶業者にとってみれば、やぶきたが信頼性も高く安心なのです。熊本の茶取引でも、茶葉(芽)の品質は同じくらいでも、やぶきたでない品種は、半分くらいの価格がつくこともあります。品種が変われば、火入れ具合や仕上げた際の味が想像と異なるなど、仕入れる茶業者にとってリスクが高まります。

一方、農家としても、やぶきたでないという理由でせっかく育てた茶葉が安値で買われてしまえば、面白くありません。

となると、やぶきたがいい!という結論になります。

このような理由から、やぶきた絶対神話がなかなか崩れないのです。

現在は、やぶきたよりも評価される「さえみどり」も登場しています。さえみどりは、数割高い値段で取引されています。渋みが強いお茶より甘みあるお茶が消費者にも受けが良く、評価されてきていますので、今後はやぶきたの割合も徐々に減ってくると思われます。

・品種別の価格差については、別ページで解説しています。

やぶきた種と日本茶のあるべき未来について

日本茶は、日本が誇る素晴らしい飲料であり、文化ではないでしょうか

昔は、飲み物は緑茶にほぼ限られた時代から、飲み物がコーヒー他様々なペットボトル飲料など多様化し、飲み物としての緑茶の割合は、低下しています。

それと同じように、「やぶきた」一辺倒な時代から、緑茶も多様性を発揮し、様々な緑茶の魅力を発信し、伝えていくことが、日本茶の発展につながると考えます。

日本茶は、味や美味しさだけでなく、特保や機能性表示食品もあります。健康飲料としてのアプローチも消費者にとってメリットとなることでしょう。

・緑茶の機能性表示食品の例 べにふうき茶 花粉症やアレルギー疾患に作用する

やぶきたは、今後も日本茶のベースとして存在し続け、一方で他の品種も日本茶の品質向上と多様性のためにうまく共存してほしいと期待します。

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知られざる名産地 水俣・芦北のお茶

・芦北地方について

湯の児温泉、湯の鶴温泉、日奈久温泉、田ノ浦の道の駅や芦北のでこぽんなどが観光スポットとして知られています。御立岬なんかも名所ですね。

・水俣について

水俣は、個人的にスイーツの美味しい町と思っています。元祖蜂楽饅頭本店(ほうらくまんじゅう)、美貴最中(みきもなか)、モンブランフジヤなど有名店があります。水俣の蜂楽饅頭は、格別に美味しいです。

・芦北・水俣のお茶について

芦北について あまり知らない方、

水俣というと真っ先に「水俣病」を連想する方も多いかと思います。

※水俣病とは? 詳しい説明

水俣病の話はかなり以前の事で、水俣の海産物はたいへん美味しく、もちろん、身体に害はありません。まして、お茶は、海でなく山の産物なので、水俣病とは全く関係のないものです。

しかしながら、水俣のお茶は、消費者には敬遠され、永く、水俣産ではなく、他のお茶にブレンドされるか「熊本産」のお茶として販売されてきました。

実際多くのお客様が、水俣や芦北のお茶のことはご存じありません。

しかし、水俣や芦北は、熊本のお茶の一大産地の一つであり、比較的大きい畑を持っている農家さんも多くいらっしゃいます。

水俣、芦北地方のお茶は、良い意味で渋みがあり、昔ながらの懐かしいお茶の味を楽しめます。矢部茶や泉茶は、山手のお茶の香りがあり、対して水俣は海辺の味で、渋みも程よく、どっしりとした味わいが特徴です。また温暖な気候のため、熊本県内では最も新茶が早い地域でもありますが、温暖な海辺から、山間部まで幅広い場所に茶畑があり、山間部ではシーズン終盤まで長い期間にわたってお茶が摘まれるのも特徴です。品種もやぶきた以外に、早生品種のゆたかみどりさえみどりや埼玉県生まれの「さやまかおり」などを見かけます。

近年は、紅茶の栽培にも力を入れていて、2017年には全国紅茶サミット、2018年には九州紅茶サミットを水俣で開催しています。私がいくつか試飲したり買って帰った水俣紅茶の印象は、焙煎が強いのか?ほうじ茶に似た焙煎香と紅茶の香りを楽しめる独特な風味でした。紅茶の代表とされる、ダージリンやスリランカティーとは大きく特徴が異なり、他の日本紅茶とも違うと言えるでしょう。

※九州紅茶サミットについては別ページで紹介しています。
紅茶の日本茶の違いについても別ページで詳しく解説

話はそれましたが、水俣や葦北地方は、温暖な気候を生かし、特徴あるお茶の生産をしています。残念なことに、知らない人も多いですが、生産量も多く、熊本県内でも注目のお茶の生産地域です。当店でも、この地域のお茶を多く仕入れています。苦みでなく、渋みを活かしたお茶をつくるには欠かせません。品質も良く、値段もお手頃価格なので、コストパフォーマンスの高いお茶が多く、狙い目でもあります。

昔懐かしい味と香り高いお茶をお求めの方は、芦北、水俣茶がおすすめです。

 

 

 

 

 

 

熊本県の知られざるお茶の名産地 美里町

隠れたお茶の名産地 美里町

知られた熊本の茶生産地

熊本のお茶の産地は全国的にあまり知られておらず、県内でも矢部茶、岳間茶、人吉茶などくらいしか認知されていないことは、お話ししました。

「くまもと茶」という名称は、同じ熊本県内の商標で言うと、「デコポン」と同じように既に商標登録されているため、実は一般企業では使えません。(知らずに使っている人も多いですが・・・)

熊本のお茶取引で最も高値のつくお茶

そこで、熊本県内の経済連の入札で 最も高値がつくお茶は、どこの産地だか知っていますか?※ちなみに…入札とは、各生産地で摘まれた荒茶が、組合や生産者名で出品され、そのお茶に最高値を付けた茶商が買い取るというシステムです。九州は、鹿児島県や熊本県ではクローズの入札式、嬉野ではセリの形式で行われます。

熊本県は、その実、栽培面積が全国4位~7位と言われるお茶の名産地であることもお話ししました。例えば、相良村や球磨地方のお茶は生産量が県内で最も多いですが、産地ブランドがあまり知られていません。相良茶と言っても、残念ながらピンとこない人が多いのが現状です。

 

そこで、知られざる産地の魅力をご紹介します。

熊本県で、毎年最も高い評価を得るのは、美里町(旧,中央町)のM氏のお茶です。

初入札で最高値を付けた業者は、賞状のような証書をもらえますので、高値を付け落札したお茶の証書を店内に飾っておくと県内最高のお茶を扱っている店舗といえます。ブランディングとしても役立つため、県内茶商の理事長(など)が広告費や御祝儀としてわざと高い値段をつけて最高値を出すのが、風習となっているようです。

それでも、当然県内トップ生産者として知られるM氏のお茶が選ばれます。

M氏のお茶は、茶葉は若芽で形が整っていて、旨味が強く、水色もいい。非の打ちどころがない良いお茶です。好みや贔屓はありますが、誰が見ても評価は高いお茶でしょう。さえみどりなんかは、末端価格で2000円~3000円で販売されていると思います。

・さえみどりとは?別ページで解説

そんなお茶が、一般の方には産地としては無名でしかない美里町(旧中央町)のお茶なのです。

一方で ブランディング(賞状)のためのお茶が、あまり知られていない産地のお茶というのも、面白い話かもしれません。

しかし、美里町には素晴らしいお茶があることを是非お分かり頂きたいのです。

美里町には、日本一の石段もありますよ。←私もよく登っています。

以上、以外にも美里町には知られざる県内一と称されるお茶があるというお話でした。