山政小山園の抹茶が2026年8月1日より価格改定へ。改定前・改定後価格表と抹茶高騰の背景

お知らせ

宇治の名門抹茶メーカー・山政小山園の抹茶について、2026年8月1日受注分より価格改定が行われる予定です。

山麓園でも一部取り扱いがあるため、取引先向けの案内を確認しました。取引先向けの挨拶文や卸価格などの詳細は控えますが、一般のお客様にとって重要なのは、まず 「自分が使っている銘柄がいくらになるのか」 という点だと思います。

そこでこの記事では、山政小山園の公開小売カタログに掲載されている改定前価格と、今回案内された新しい希望小売価格をもとに、主な抹茶銘柄の改定前・改定後価格を税込で比較します。

※改定前価格は、山政小山園公式サイト掲載の小売カタログ価格を参考にしています。公式カタログには「表示価格は消費税を含みます」と記載されています。
※改定後価格は、取引先向け資料に掲載された税抜の希望小売価格を、食品の軽減税率8%で税込換算しています。
※実際の販売価格、改定時期、在庫状況は販売店により異なる場合があります。
※以下の表は確認できる範囲で整理したものです。公開前に最終的な目視確認をおすすめします。
山政小山園価格表


山政小山園茶銘 30g缶|改定前・改定後価格表

銘柄改定前 税込改定後 税込換算差額値上げ率
茶寿の昔16,200円16,200円0円0.0%
香寿賀の昔10,800円10,800円0円0.0%
神楽殿8,208円8,208円0円0.0%
星雲5,508円5,508円0円0.0%
天王山3,888円4,428円+540円約13.9%
先陣の昔3,348円3,888円+540円約16.1%
式部の昔2,808円3,348円+540円約19.2%
小倉山2,268円2,808円+540円約23.8%
四方の薫1,728円2,268円+540円約31.3%
さみどり1,404円1,728円+324円約23.1%
松風1,188円1,404円+216円約18.2%
槇の白30g缶なし30g缶なし

山政小山園茶銘の旧価格は、公式カタログの30g缶・150g缶・100g袋の価格欄に掲載されています。
新価格については、2026年7月付の取引先向け価格改定資料に、2026年8月1日受注分からの希望小売価格として掲載されています。


御家元御好茶銘 30g缶|改定前・改定後価格表

銘柄改定前 税込改定後 税込換算差額値上げ率
水明の昔3,888円4,428円+540円約13.9%
音羽の白2,268円2,808円+540円約23.8%
葉上の昔5,508円5,508円0円0.0%
栂の白2,808円3,348円+540円約19.2%
深瀬の昔3,888円4,428円+540円約13.9%
都賀乃尾2,268円2,808円+540円約23.8%
千里の昔5,508円5,508円0円0.0%
悠和の白2,808円3,348円+540円約19.2%
葉室の昔3,888円4,428円+540円約13.9%
神尾の白2,808円3,348円+540円約19.2%
苔の白2,268円2,808円+540円約23.8%
宇治上の昔3,888円4,428円+540円約13.9%
奏の白2,268円2,808円+540円約23.8%
三宝の昔3,888円4,428円+540円約13.9%
鳴滝の白2,808円3,348円+540円約19.2%
嵯峨野2,268円2,808円+540円約23.8%
雪華の昔3,888円4,428円+540円約13.9%
深雪の白2,268円2,808円+540円約23.8%

御家元御好茶銘の旧価格も、公式カタログでは税込価格として30g缶、150g缶、100g袋の価格が掲載されています。
新価格は、取引先向けの新しい希望小売価格表をもとに税込換算しています。


価格表から分かること

今回の価格改定では、すべての銘柄が一律に同じ割合で上がっているわけではありません。

まず、山政小山園茶銘の上位品である「茶寿の昔」「香寿賀の昔」「神楽殿」「星雲」は、30g缶の税込換算では改定前と同じ水準です。

一方で、「天王山」以下の銘柄では値上げが確認できます。特に、日常のお稽古や薄茶用として選ばれやすい価格帯の銘柄で、540円前後の値上げが目立ちます。

具体的には、「小倉山」は2,268円から2,808円へ、「四方の薫」は1,728円から2,268円へ、「さみどり」は1,404円から1,728円へ、「松風」は1,188円から1,404円へ上がる計算です。

値上げ率で見ると、元の価格が低かった銘柄ほど上昇率が大きく見えます。特に「四方の薫」は約31%の上昇となります。

つまり今回の改定は、最上位品よりも、お稽古用・日常用として使われやすい中〜低価格帯の抹茶に影響が出やすい価格改定 と見ることができます。


150g缶・100g袋でも同じ傾向

30g缶だけでなく、150g缶や100g袋でも同じ傾向があります。

山政小山園茶銘では、上位品は税込換算で据え置きに近い一方、「天王山」「先陣の昔」「式部の昔」「小倉山」「四方の薫」「さみどり」「松風」「槇の白」などは、150g缶・100g袋でも値上げとなる計算です。

たとえば、山政小山園茶銘の100g袋では、以下のような変化になります。

銘柄改定前 税込改定後 税込換算差額
天王山12,096円13,932円+1,836円
先陣の昔10,368円12,096円+1,728円
式部の昔8,640円10,368円+1,728円
小倉山6,912円8,640円+1,728円
四方の薫5,184円6,912円+1,728円
さみどり4,158円5,184円+1,026円
松風3,402円4,158円+756円
槇の白2,700円3,402円+702円

30g缶だけでなく、まとめ買いやお稽古場用で使われる容量でも、一定の負担増になると考えられます。


取引上限額は1.3倍へ緩和の案内も

今回の案内で注目すべきなのは、価格改定だけではありません。

取引先向けの案内では、抹茶受注金額の月間上限について、2026年8月1日受注分より従来の1.3倍に変更する旨も説明されています。

これは単純に「値上げする」というだけでなく、価格改定後の新しい価格水準に合わせて、取引先が一定量を仕入れられるようにするための調整と考えられます。

抹茶は現在、価格だけでなく供給面でも不安定な状況です。価格改定と取引上限額の変更が同時に行われることからも、メーカー側が価格・供給・取引数量のバランスを取りながら対応していることがうかがえます。


山政小山園の案内文から読み取れる値上げの背景

取引先向けの案内文には、価格改定の背景として、主に以下の点が挙げられています。

  • 国内外での抹茶需要の急増
  • 抹茶原料の確保が難しくなっていること
  • 前回改定後も原料価格の高騰が続いていること
  • 2026年の碾茶取引価格も高値で推移していること
  • 資材代や諸費用も上昇していること
  • 商品品質を維持するためには価格改定が必要であること

挨拶文をそのまま掲載することは控えますが、内容を読む限り、今回の改定は単なる便乗値上げではなく、原料価格、資材費、品質維持、供給継続が重なった結果と考えられます。


今年の宇治茶・碾茶相場と照らし合わせると、妥当な流れか

今回の価格改定は、今年の宇治茶・碾茶相場と照らし合わせても、ある程度妥当な流れだと考えられます。

農林中金総合研究所の資料では、2026年の新茶初取引について、京都のJA全農京都宇治茶流通センターでは20,879円/kg、前年比+22.1%と示されています。(㈱農林中金総合研究所

また、一保堂茶舗は、2025年度産の京都府産一番茶の取引平均価格が前年比2.5倍、二番茶が2.9倍に高騰したこと、抹茶は他の茶種より価格上昇が突出していることを説明しています。京都府内の機械摘みの抹茶原料である碾茶についても、14,141円/kgという価格水準が示されています。

さらに丸久小山園も、インバウンド需要拡大により抹茶原材料をはじめとする緑茶原料価格が高騰し、物流費やエネルギーコストも上昇していると説明したうえで、2026年7月より緑茶全般の価格改定を行うと案内しています。

これらを踏まえると、山政小山園の価格改定も、業界全体の流れの中で起きているものと見るのが自然です。

特に今回の山政小山園の価格表を見ると、30g缶では上位品が据え置きに近く、中〜低価格帯の銘柄に値上げが集中しています。これは、原料相場が大きく動く中で、特に日常使いやお稽古用として販売量が多い価格帯の抹茶について、従来価格を維持することが難しくなっていることを示しているように思います。


宇治の高級抹茶には、高級抹茶としての価値がある

ここで誤解してはいけないのは、値上がりしたからといって、宇治抹茶や有名メーカーの抹茶を否定する話ではないということです。

宇治の高級抹茶には、長い茶道文化、産地としての歴史、栽培技術、製茶技術、仕立ての技術、銘柄への信頼があります。

特に茶道用の高級抹茶は、単なる原料価格だけで価値が決まるものではありません。香り、余韻、口当たり、点てた時の泡立ち、茶席での格式など、成分表だけでは測れない価値があります。

山政小山園や丸久小山園のような宇治の名門メーカーの抹茶が高価格帯になることは、ある意味では自然な流れでもあります。

むしろ、ここまで価格が上がっているということは、高品質な日本産抹茶そのものの価値が、国内外で大きく見直されているとも言えます。


一方で、すべての用途に高級抹茶が必要なわけではない

一方で、すべての用途に茶道用の高級抹茶が必要なわけではありません。

抹茶には、茶道用、自宅用、抹茶ラテ用、製菓用、アイスクリーム用、飲食店メニュー用、業務用原料など、さまざまな使い方があります。

茶道用であれば、宇治の高級抹茶や伝統ある銘柄を選ぶ価値は大きいです。

しかし、抹茶ラテや製菓、食品加工、業務用メニューでは、求められる品質が少し異なります。

重要になるのは、以下のような点です。

  • 色がきれいに出るか
  • ミルクに負けない味があるか
  • 苦渋味が強すぎないか
  • 香りが残るか
  • 粉末が細かく、使いやすいか
  • 継続して仕入れられるか
  • 価格が用途に合っているか

つまり、これからの抹茶選びでは、産地名や銘柄だけでなく、用途に合っているかどうかがより重要になります。


今後は用途に応じた抹茶選びがより重要に

今回の価格改定を見ると、宇治の名門抹茶においても、特にお稽古用・日常用として使われやすい価格帯で値上げの影響が出ていることが分かります。

これは、抹茶そのものの価値が下がったという話ではありません。むしろ、高品質な日本産抹茶の価値が国内外で見直され、需要が供給を上回りつつあることの表れとも言えます。

一方で、すべての用途に同じ価格帯の抹茶が必要なわけではありません。

茶道用の濃茶や格式ある茶席では、宇治の高級抹茶や伝統ある銘柄を選ぶ価値は非常に大きいと思います。香り、余韻、口当たり、点てた時の泡立ち、銘柄への信頼など、成分値や価格だけでは測れない価値があるためです。

しかし、抹茶ラテ、製菓、アイス、チョコレート、飲食店メニュー、業務用原料などでは、求められる品質は少し変わります。

色がきれいに出るか。
ミルクや砂糖と合わせても抹茶の風味が残るか。
苦渋味が強すぎないか。
継続的に仕入れられるか。
価格が用途に合っているか。

こうした点も、今後はより重要になっていくと考えられます。

抹茶価格が大きく変動する時代には、「有名産地だから選ぶ」「安いから選ぶ」だけではなく、用途に合わせて抹茶を選ぶ視点が必要になります。

宇治・京都の高級抹茶には、高級抹茶としての価値があります。
一方で、鹿児島、熊本、福岡、愛知、静岡、その他の新しい抹茶産地にも、それぞれの用途に合った可能性があります。

これからは、産地や銘柄の知名度だけでなく、茶道用、ラテ用、製菓用、業務用といった使い方に応じて、抹茶を選ぶ時代になっていくのではないでしょうか。


今後の抹茶価格・抹茶市場のトレンド

今後の抹茶市場では、いくつかの流れが強まると考えられます。

まず、茶道用・飲用の高品質抹茶は、今後も高価格帯になりやすいと思います。原料となる碾茶の生産には、被覆、摘採、加工、石臼挽きなど多くの手間がかかります。需要が増えても、すぐに供給量を大きく増やすことはできません。

次に、価格改定は抹茶だけにとどまらず、煎茶、玉露、ほうじ茶、番茶類にも影響が広がる可能性があります。抹茶向け原料の需要が高まれば、他の茶種の原料確保にも影響が出るためです。

また、カフェ、製菓店、食品メーカー、海外バイヤーなどは、今後ますます「用途に合った日本産抹茶」を探すようになると考えられます。

これまでは、抹茶といえば宇治、京都、有名銘柄という見方が中心でした。しかし価格が大きく上がる中で、今後は以下のような選び方も広がるはずです。

  • 茶道用には、伝統ある高級抹茶
  • ラテ用には、色と味がミルクに負けない抹茶
  • 製菓用には、発色と香りが残りやすい抹茶
  • 業務用には、品質と価格と供給のバランスが取れた抹茶
  • 日常用には、飲みやすく続けやすい抹茶

つまり、抹茶高騰時代に必要なのは、どれか一つの産地や銘柄にこだわることだけではありません。

用途に応じて、最適な抹茶を選ぶこと。

この視点が、これからますます重要になると思います。


まとめ

山政小山園の2026年8月1日からの抹茶価格改定は、宇治の名門抹茶にも価格高騰の影響が及んでいることを示す出来事です。

価格表を見ると、上位の濃茶向け銘柄は税込換算で据え置きに近い一方、お稽古用・日常用として使われやすい中〜低価格帯の銘柄で値上げが目立ちます。

また、価格改定と同時に、取引上限額を1.3倍へ変更する案内もあり、価格だけでなく供給・取引数量の調整も続いていることが分かります。取引先向け資料では、2026年8月1日受注分からの価格改定と、抹茶受注金額上限の1.3倍変更が案内されています。

宇治の高級抹茶には、高級抹茶としての価値があります。
それを否定する必要はありません。

ただし、すべての用途に高級抹茶が必要なわけでもありません。

抹茶ラテ、製菓、業務用、日常使いなどでは、色、味、価格、供給、使いやすさのバランスを考えた抹茶選びがますます重要になります。

これからの抹茶選びでは、産地名や銘柄だけでなく、用途に合っているかどうかを見ることが大切になるのではないでしょうか。

抹茶高騰や用途別の抹茶選びについて、詳しくはこちら

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