お茶のイメージ
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紅茶はこうして作られる。

工場の製造工程、販売までを解説

紅茶の茶畑、工場、製造販売まで

紅茶の茶摘みから販売までの10の工程

世界で最も多く生産されているお茶は、紅茶です。お茶は、緑茶も紅茶も同じお茶の木の葉はから作られることは、別ページで解説いたしました。

では、紅茶はどの様にして製造され、販売されるのでしょうか?

1.摘む

2.萎凋(萎れさせる)

3.揉む

4.ほぐして、ふるいにかけて分ける

5.酸化発酵を待つ

6.乾燥させる

7.茎などを除去

8.等級分け(OP・BOPなど)

9.オークション(入札)でティーメーカーに売却する

10.ティーメーカーがブレンドしてパッキング、製品化される。

このようように、お茶を買えるようになるまで、多くの工程があります。

それでは、個々に開設していきます。

工程1.茶葉を摘む

紅茶の茶畑 茶摘みの様子

 

紅茶は日本茶と違い、ほとんどが手摘みで収穫される。日本の茶園のように平たく整列していないことが多く、また傾斜地に畑があるなど機械の導入もできない環境です。一日一人あたり生葉を30kg収穫するそうです。新芽のみを一芯二葉または一芯三葉で摘みます。日本のように籠ではなく、麻袋のような物を背負って、収穫した茶葉を入れていきます。茶摘みは女性のほうが圧倒的に多く、かなりの重労働のようです。アッサム地方の茶葉は(樹木自体も大きいのですが、)葉が日本のものよりも数倍大きく、スリランカ産は日本に比べて少し大きめです。

工程2.萎凋<イチョウ>(茶葉を萎れさせる)


紅茶の萎凋紅茶工場の萎凋の様子

摘んだ茶葉は集めて日陰干し、または写真のような大きなコンテナ(萎凋槽)に置かれます。写真の萎凋槽には約1トン×4槽の生葉が入ります。萎凋とは摘んだ茶葉を萎れさせる工程で、紅茶やウーロン茶(半発酵茶)の製造で用いられます。
通常は、摘んだ茶葉を15時間から丸1日ほど放置します。この間に、茶葉の水分が30~40%ほど蒸発し、萎れた具合になり、フルーティーな香りが立ち始めます。適度な熱と乾燥により様々な化学反応が起こった紅茶の香りの素となっています。


萎凋槽の様子
写真のギラガマ紅茶工場では、萎凋槽の下から温風が流れ、水分の蒸発を加速させています。また、人工萎凋の時間も24時間と長めで葉の50%以上の水分がなくなります。
(萎凋槽をモゾモゾほじくると、温風で茶葉がパッと舞い上がりビックリしました。)



 

 

工程3.茶葉を揉む<揉捻(じゅうねん)>


紅茶の揉捻工程の様子揉捻機
萎凋が終了したら、茶葉を揉む工程になります。機械がぐるぐると回転しているため、上の写真はピンボケしています。機械が茶葉を圧迫しながら揉むため、茶葉の組織が壊れ、酸化酵素による酸化発酵が加速します。


工程4.ふるいにかけて、ほぐす


揉んだお茶の葉は、団子のように塊になっています。より均等に空気に触れさせ発酵を促進させるために、塊の茶葉をほぐす工程です。茶葉は、ガチャガチャと振動しているふるいの上を流れていきます。ほぐれた茶葉はその時にふるいから落ちていきます。最後までふるいから落ちなかった茶葉は、もう一度揉捻機にかけられます。

工程5.発酵させる 

発酵室 紅茶を発酵させる紅茶工場の発酵室の写真
ほぐした茶葉を室温25~26℃、湿度90%の室内で1~3時間静置する。この間に発酵がかなり進行し、緑色だった茶葉が赤色に変化し、紅茶らしい香りが立ちます。発酵が進行しすぎると、カテキン変化しすぎて、香りの劣った茶葉になってしまいます。質の良い紅茶を製造するためには、室温と湿度、発酵時間の管理に加え、その時の天候や環境を加味して上手くコントロールする必要があります。


工程6.発酵した生葉を乾燥させる

発酵した紅茶の生葉を乾燥させる
※↑写真 発酵していた茶葉を乾燥させる機械

発酵が完了した茶葉はまだ水分を多く含んでいるので、乾燥機に入れて水分量を3~4%になるまで高温と熱風で乾燥させます。70℃~100℃で40分~60分。この時に、熱によって酸化発酵は止まりますが、高温でさらに茶葉の成分が科学反応し、より香りが高いお茶になります。(緑茶やコーヒーの焙煎のような反応)

工程7.茎などを除去

乾燥が終了した荒茶には、茎などが含まれた状態です。紅茶製品として販売するためには、綺麗に茎などを除去する必要があります。
茎・粉などは茶葉よりも軽いという性質があります。日本茶の仕上げでも、風邪で軽い部分を飛ばす、「トウミ」や静電気で茎の部分をくっつけて分離する「静電気棒取機」などがあります。また、カメラで荒茶を監視し、色の違いで茶葉と茎を選別する「色彩選別機」などがあります。

ギラガマエステート(紅茶工場)では、「静電気棒取機」と「色彩選別機」を使用しています。
静電気棒取機電棒機
↑写真の静電気棒取機 茎などが混じっている紅茶の荒茶が機械に運ばれ、電気の通ったローラーの中を通っていく。右拡大写真では、茎などの軽い部分は、静電気でローラーにくっつき分離されている様子がわかる。この工程が済むと、茎の多かった荒茶から、ある程度茎の混じった状態までになる。

静電気棒取機だけでは棒がまだ残っていて不十分なため、次に「色彩選別機」を使用します。
日本の服部製作所製の色彩選別機選別機を通ると、選別の完了した紅茶、茎が混じったお茶、茎だけのものの3つに分かれて出てくる。

※左写真:色彩選別機 日本の服部製作所製の機械が使用されていた。この機械の中を紅茶が少しづつ流れ、カメラが茶葉と茎を色の違いで見極め、茎を風でシュッと飛ばして除去する装置。
※右写真:右側のコンテナが選別の完了した茶葉、真ん中がまだ茎の混じっている茶葉、左が茎のみに分かれて出てきます。真ん中の選別が不十分な茶葉は、もう一度選別機を通します。
服部製作所の方に聞くと、上の機器は古い型の機械だそうで新しいものは、一度で綺麗に選別ができるそうです。


工程8.等級を選別する

紅茶は、リーフグレードという等級があります。等級といっても紅茶の品質を表すわけでなく、紅茶の茶葉の大きさを区別するものになります。紅茶は茶葉の大きさによっても、それぞれと特徴・特性があります。
OP (オレンジペコー) 細長く捻じれた茶葉で、柔らかい葉とティップと呼ばれる芯芽を含んでいる。抽出したお茶の色は、薄く澄んでいて明るい色をしている。香りは強め。
P(ペコー) OPよりも固くて太く短い茶葉。OPと比べて、お茶の色は濃く、香りも強い傾向。
S(スーション)・PS(ペコースーチョン) P(ペコー)よりもさらに固く太い。色は薄く、香りも弱い。
BOP(ブロークン オレンジペコー) OPをカットしてするなど、細かい茶葉。人気のサイズで芯芽を多く含んでお茶の色も濃く、香りも豊か。
BOPF(ブロークン オレジンペコー ファニングス) BOPをふるいにかけるなどした、さらに細かい茶葉。BOPよりも濃く、香りも出やすい。上質なティーバッグやほかの茶葉にブレンドされるなどに使われることが多い。
F(ファニングス) 細かい茶葉 ティーバッグの原料に使われる。
D(ダスト) 最も細かい茶葉、ティーバッグの原料となる。
           ↑他にもクラスがありますが、主な等級
紅茶の等級見本の写真
↑上写真は、等級分けされた茶葉の見本

等級を分ける工程は、とにかくふるいにかける。大きい網から小さい網と順に機械でふるっていきます。

茶葉の等級を分けるためにふるいにかけている

ふるいから落ちた茶葉が、コンテナに落ちていきます。様々な網でふるって等級を分けていきます。

 

工程9.紅茶が完成。大袋をオークションにかけて、ティーメーカーに販売する。

完成した紅茶は、大袋に詰められる 大袋は山積みされ、オークションにかけられる。

 

完成した紅茶は、左写真のような大袋に詰められます。右の写真のようにドンと山積みされて、オークション(入札)にかけられます。吟味され、落札した業者が製造された紅茶を買い取ります。

落札業者は、様々なティーメーカーなどにそのまま売却するか他の茶葉とブレンドして供給します。

※流通しているほとんどのお茶は、ティーメーカー(ブランド)でブレンドされて製品化されているので、茶園の直売所で買うと、その茶園のお茶を楽しめる。

工程10.ティーメーカーがブレンド、製品化して、スーパー、お店で販売される

ティーメーカーの茶師が様々なお茶を仕入れて、ブレンドを繰り返し、そのブランドにあった香りの紅茶を作り出します。産地名が書いてある紅茶も単一畑の紅茶ではなく、実際にはその地域の様々なお茶をブレンドして作られています。ブレンドは、お茶の品質の安定化、均一化、そして安定供給のために必要な作業です。それを取り仕切るティーマスターは、ワインのソムリエのようにカッコよく、尊敬される仕事とされています。(日本茶でも、そうなれば良いなと思いますが…)
各社のティーマスターたちによって、様々な紅茶が生み出され販売されていくのです。

 

 

まとめ

このようにして、茶摘みから販売まで、様々な工程といろいろな人がかかわっていることがわかります。昔はこのような工程を、ほぼ手作業でやっていたと考えると、相当にハードで紅茶が贅沢品だったことがうかがえます。

知識を深めて紅茶を飲めば、より楽しめ、味わいも増すような気もしますね。

 



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