お茶のイメージ
このエントリーをはてなブックマークに追加

なぜお湯の温度でお茶の味が変わるのか?

抽出温度で変わるお茶の成分

*お湯を冷まして…といわれるがなぜ?理由を理解するとお茶の入れ方が上手になる*

「お湯を冷まして入れてください」とよく茶袋の裏とかお茶の淹れ方の書いたパンフレットを見かけます。

お茶の入れ方 茶袋裏面

 

しかし、やり方だけでなぜなのかの説明がなかったりします。どうしてお湯を冷ました方がいいのか?など、理由や原理がわからないと工夫の仕方やコツがやはりわかりにくいと思います。自分やお客の好みはもちろん、茶葉によっても適切な淹れ方が異なるので、応用することや上手く淹れることが難しくなってしまいます。

 

そこで、わかりやすくご説明したいと思います。

実は、お湯の温度で抽出される成分(の割合)が変わる…という訳で味に違いがでてくるのです。

当たり前のような話ですが、これが大事。具体的な成分とその性質を知ることで、こうするとあれが多くなるから渋くなるとか、より甘みが増すど意識しながら淹れることで、コツの掴み方が格段に上がり、またシーンや茶葉によって好みの淹れ方に変える応用技まで出来きるようになります。

 

温度が高くないと出にくい成分: カフェイン(さっぱりとした苦み)カテキン類(*遊離型:苦み、*エステル型:渋み)
低い温度でも出る成分: テアニン(旨み、甘み)、グルタミン酸、その他アミノ酸(旨み、酸味)

*エピカテキン、エピガロカテキンは遊離型カテキンに分類され、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレートはエステル型となっている。遊離型は主に苦みが強く、エステル型はどちらかというと渋みが強くなる。かぶせ茶、玉露などの上級茶はエステル型の割合が多く、下級茶ほど遊離型カテキンの割合が増える傾向にある。

温度が高ければ高いほど、カテキンなどのタンニンが多く出やすく、苦みと渋みが多く出てきます。

一方、温度が低いと渋み成分が抑えられ、旨み成分の割合が多くなるため、渋みの少ないお茶(甘みあるお茶)になります。

お茶、カテキン

一般的な美味しいお茶の淹れ方として「温度を冷まして入れましょう」と言われる意味は、カテキンなどの渋み成分の割合を少なく、旨み成分の割合を増やすようにして淹れて、まろやかな味わいのお茶に淹れましょうという解釈になります。

他に例として、玉露は50°~60℃以下で淹れます...と色々なところで見かけるのは、渋みを出さないでほぼ旨みだけ出しましょうという意味です。玉露には元々渋み成分が少なく、他の茶葉より旨み、甘み成分のテアニン、アミノ酸類をたくさん含んでいるため、このような淹れ方が美味しく飲めるというわけです。

高級茶についても玉露似て旨みを多く含みますので、60~70℃くらいというのが適温と言われています。

しかしながら、温度は一般的な目安です。好みは人それぞれですので、70度で淹れて渋みが少ない、物足りないと感じれば、温度を上げるか、抽出時間を長くするなどの工夫をしてみてください。

熱々のお茶が好みで苦いお茶が苦手な方もいらっしゃいます。そういった場合は、テアニンの割合が多いかぶせ茶の一番茶、品種としては「あさつゆ」、「さえみどり」などの苦み成分の少ない品種を選ぶとよいでしょう。

夜に飲むときカフェインが気になる方は、低温でまろやかなお茶にすると、カフェインも少なく、リラックス効果があるテアニンを多く摂ることができるので、安眠に効果があると言われています。ちなみにテアニンが最も多い品種はさえみどりと言われています。お茶(製法)の種類では、露地栽培のお茶よりも玉露やかぶせ茶がテアニンが多く含まれます。

 

では、なんでも低温で淹れればよいのか?…というとそうではありません。

番茶やほうじ茶などは、茶葉が固く、テアニンなどの旨み成分(アミノ酸類)もかなり少なくなっています。低温だと旨味成分が出にくく、色と味が薄いお茶になってしまいます。

番茶の淹れ方

 

番茶はカテキンなどの成分は比較的多く含み、この成分を多く出すように高温で淹れます。2番茶、3番茶が一般的に渋く苦いのはこのためです。この渋み苦み成分は、主にエピガロカテキンガレードという成分で、最近の研究でビタミンCの数十倍の抗酸化作用や、脂肪蓄積抑制、抗菌、抗ウイルス、抗ガン作用など人の健康寿命に大きくかかわっていることがわかり、世界的に緑茶が注目されることになりました。

ほうじ茶はカテキンの多い番茶を使用しているのに、さっぱりとして苦みが少ないのは、カテキン類やカフェインが高温加熱で変化し減少しているためです。

 

もうひとつ、「一煎目は低い温度で、二煎目は高温で」の意味

旨み成分のアミノ酸やテアニンは、水に出やすい性質なので、一煎目でさっとお茶に出てきます。逆にカテキンなどは一煎目の後も茶葉にまだ多く残っています。そのため、二煎目はお湯の温度が低いと、テアニンは少なく(茶葉にあまり残っていない)、カテキン(茶葉に残っているけれど高温でないと出にくい)も少ない、結果、味の薄いお茶になってしまいます。二煎目は、温度を高くすることでテアニンは少なくとも、カテキンなどの割合が多いお茶になり、味のあるお茶を楽しめるということです。同じ茶葉を使って、2度楽しめるというのも面白くお得な感じがします。

 

抽出時間について

玉露の入れ方の基本、50~60度で2分くらいと言われています。

高級な煎茶では、普通蒸し茶の場合で1~2分深蒸し茶で30秒から60秒くらいと言われています。

番茶で熱湯2~3分。

温度が高ければ、抽出時間を短くした方がよく、抽出時間が長くなるほど、茶葉に多く残っている渋み成分が多くにじみ出てきます。まずは基本で入れてみて、お好みで時間を調整してみてください。

抽出時間が短いとあっさり甘みある味わい、長いとコクと渋みが強くなります。

 

まとめ 美味しく効果的緑茶ライフ

お茶の温度で成分が変わる。お茶の種類や品質によって淹れ方(入れ方)が変わる。これを踏まえ、温度で渋み旨みの出方をうまくコントロールして自分の好みに合ったお茶を淹れてみてください。また成分の効能も考慮すれば、用途によって淹れ方を変えるのもありだと思います。たとえば、朝は目が覚めて元気に働けるように、カフェインが多く出る上質な茶葉を高温で。お寿司やお昼の弁当は、食中毒予防のカテキン多めの煎茶や番茶を高温で。寝る前は、リラックス&カフェイン少ないよう水出しのお茶。勉強するときは、カフェインとテアニンがバランスよい温度で集中力アップなど。用途、シーンを考えれば、様々な効果的な飲み方もあります。

お茶の淹れ方は、なんだか難しいと敬遠するよりも、これも緑茶の魅力として理解することで美味しく効果的な緑茶ライフをお楽しみいただけます。

 

以下ご参考までに… 

その他、お茶をおいしく入れるポイント

●お茶は必ず「軟水」を使用

日本で使われる水道水はほとんど軟水なので特に注意する必要はありませんが、海外では「硬水」が多い。

硬水では、軟水で入れた場合の煎茶の繊細な美味しさがボヤけてしまい、美味しく飲むことが出来ません。

海外で日本茶を飲んだり振舞う場合は、軟水を用意しましょう。

実験*では、硬度が上がるほどカテキン類やビタミンCの含有率も低くなっています。

硬水が使われる地域では、釜炒り製法や半発酵(中国など)、紅茶は発酵茶にすることで硬水でも美味しく飲めるようになっています。これらは、渋み苦み成分が発酵などで変化するため熱湯(100℃)で入れて飲みます。

 

機能性を考えた淹れ方、飲み分けをお考えの方は↓の説明(お茶の品種)もどうぞ

●リラックスしたい方、テアニン多めのお茶「さえみどり」の説明

●免疫力アップ「ゆたかみどり」

●花粉症などのアレルギー対策、べにふうき

 

*水の硬度が緑茶浸出液に及ぼす影響 日本調理科学会誌 49(3), 216-222, 2016

 



当店のお茶の通販サイト

楽天市場店
Yahoo!ショッピング店
山麓園オンラインショップ

こだわりのお茶 山麓園

慶事、仏事ギフト各種お任せください。