熊本県菊池市で育った一番茶を使い、さやまかおり・つゆひかり・さえみどりをブレンドした熊本伝承抹茶「菊池 延寿」。飲用としての旨みを保ちながら、ミルクに合わせても味が埋もれにくい、力強さとバランスを意識して仕上げた抹茶です。
「延寿」という名には、長寿を願う縁起のよい言葉としての意味と、菊池の歴史に残る刀鍛冶一派「延寿」への思いを重ねています。単に歴史上の名前を借りたのではなく、延寿から同田貫へと受け継がれた“強さ”のイメージを、3品種の味の設計に置き換えたのが、この抹茶の特徴です。
50g 1,080円(税込)。日常の一服から、味の濃いプレミアム抹茶ラテまで幅広くお使いいただけます。
「濃いラテにすると抹茶の味が消えてしまう。でもラテ向けの強い抹茶は、そのまま飲むと苦渋味が目立つ」――この両方をできるだけ避けることを目標にしています。ミルクの中でも存在感があり、同時に水で点てても旨みを楽しめる。その中間ではなく、両方を狙ったブレンドです。
「延寿」は文字どおり、寿(ことぶき)を延ばす、長寿を願うという縁起のよい言葉です。山麓園では、このめでたい響きに加えて、熊本県菊池市の歴史に登場する刀鍛冶「延寿」を商品名の背景にしています。
なお、この名称は商品の由来・物語を表すものであり、飲用によって寿命が延びるなどの効能を示すものではありません。
現在の菊池市は、中世九州史で大きな存在感を持った菊池一族ゆかりの地です。菊池市の公式資料では、1070(延久2)年、初代とされる藤原則隆が菊池の地に入り、土地の名を取って「菊池」と名乗ったと伝えられています。
さらに文永年間、蒙古襲来(元寇)の頃、10代菊池武房が強い刀を求め、京都で活躍していた来(らい)一派の刀工を菊池へ招いたと伝わります。その人物が、延寿派の祖とされる延寿太郎国村です。以後、延寿一族は菊池氏のお抱え鍛冶として刀剣を作りました。
強さだけではなく、実際に使われる道具としての信頼性。そのイメージを、抹茶の「味の骨格」に置き換えました。
室町時代の終わり頃、菊池一族による領有が終わると、延寿の刀工たちも各地へ移っていきました。菊池市の公式資料では、その流れの中から玉名へ移った同田貫清國・正國兄弟が紹介され、延寿鍛冶の技術と誇りが同田貫へ受け継がれたと説明されています。
同田貫は、肥後大名・加藤清正から実戦志向の強靭さを評価され、熊本城の常備刀として多数作られたと伝えられています。華美な装飾よりも、折れにくく、曲がりにくく、実用に耐える強さ。そのため後世には「剛刀」のイメージで広く知られるようになりました。
「菊池 延寿」では、刀そのものを味に例えるのではなく、延寿・同田貫から連想する力強さ、切れ、風格を3つの茶品種に役割分担させています。以下は品種一般の優劣ではなく、山麓園が実際の2026年原料を官能評価し、ブレンド設計に与えた役割です。
ラテにしても味が埋もれにくい、しっかりしたボディを担当。被覆期間は18~20日です。単に苦味を強くするのではなく、抹茶としての芯を作る役割として使っています。
味に厚みを持たせながら、後口を重くしすぎない役割。被覆期間は18~20日。今回使用する荒茶のAFスコアは104と高い値を示しており、旨みの土台としても重要な原料です。
全体をまとめ、飲用としての上品さや旨みを補う役割。被覆期間は20日以上です。力強いだけの抹茶にせず、薄茶でも楽しめるバランスを作るために加えています。
山麓園では、色や香り、実際に点てたときの味だけでなく、成分検査も原料選定の参考にしています。以下は「菊池 延寿」に使用するさやまかおりの加工前荒茶を分析した値です。
| 測定項目 | さやまかおり荒茶 |
|---|---|
| 水分 | 1.6% |
| 全窒素 | 6.2% |
| 遊離アミノ酸 | 4.6% |
| テアニン | 2.6% |
| 繊維 | 21.0% |
| タンニン | 7.5% |
| カフェイン | 2.4% |
| ビタミンC | 0.31% |
| AFスコア | 60 |
重要:上記は完成した抹茶の栄養成分値ではありません。茎などを含む加工前の荒茶を測定した原料評価用の参考値であり、その後に精製・配合・粉砕を行います。完成品の規格値や栄養表示として使用する数値ではありません。
つゆひかりの加工前荒茶は、今回の検査でAFスコア104を示しました。AFスコアは、山麓園が原料比較に用いている、遊離アミノ酸量と繊維量のバランスから茶葉の若さや旨み成分の充実度を見るための参考指標です。
ただし、数字が高ければ必ずおいしいというものではありません。抹茶の品質は、品種、香り、色、被覆、火入れ、粉砕、口当たりなどを含めて総合的に判断しています。
業務用の抹茶では、ラテや菓子向けに苦渋味や香りの強さを優先した商品と、薄茶など直接飲むことを前提に旨みや口当たりを重視した商品を分けることがあります。
菊池 延寿は、そのどちらか一方ではありません。さやまかおりで味の芯を作り、つゆひかりで後味を整え、さえみどりで旨みと品を加えることで、ミルクの中でも存在感があり、そのまま点てても十分楽しめるところを狙っています。
熱湯で一気に点てるより、少し温度を落とすと旨みが感じやすくなります。濃さはお好みで調整してください。
先に少量のお湯で抹茶をよく溶き、その後に温めたミルクを加えるとダマになりにくく、抹茶の味も均一に出ます。甘味を加える場合も、まず無糖で味の強さを確認してから調整するのがおすすめです。
菊池氏の歴史をたどると、西郷隆盛の名も出てきます。菊池市の公式資料によれば、西郷隆盛は奄美大島に潜伏した際に「菊池源吾」という変名を用い、西郷家に伝わる系図では自らの祖先を菊池一族に求めていたとされています。
ただし、菊池市も「本当に菊池一族の子孫であったのか、今となってはその真偽は明らかではありません」としています。そのため、西郷家の祖先が蒙古襲来で延寿の刀を携えて戦った、といったところまでは確認できません。歴史の面白い余話として紹介するにとどめています。
| 商品名 | 熊本伝承抹茶 菊池 延寿 |
|---|---|
| 名称 | 抹茶 |
| 原材料名 | 緑茶 |
| 原料原産地 | 熊本県菊池市 |
| 摘採 | 一番茶 |
| 品種 | さやまかおり・つゆひかり・さえみどり |
| 被覆 | さやまかおり18~20日、つゆひかり18~20日、さえみどり20日以上 |
| 内容量 | 50g |
| 価格 | 1,080円(税込) |
| おすすめ | 薄茶、日常飲用、抹茶ラテ |
熊本伝承抹茶「菊池 延寿」は、歴史を飾りとして付けただけの商品ではありません。菊池氏を支えた延寿鍛冶、そこから同田貫へ受け継がれた強さのイメージを、さやまかおりの力強さ、つゆひかりの切れ、さえみどりの風格という3品種の役割に置き換えて設計しました。
一番茶を使用し、品種ごとに18日以上の被覆を行い、加工前の荒茶では成分検査も実施。物語だけではなく、実際の味と原料を確認しながら作ることを大切にしています。
力強いのに、荒々しすぎない。ラテに負けないのに、そのままでも飲める。菊池の歴史から着想した「延寿」を、ぜひ一服でお確かめください。
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