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熊本地震 お店はぐちゃぐちゃになっていた
北海道で震度7の地震がありました。あの時の熊本地震を振り返る
熊本地震当日
あの日は、阿蘇の麓に新茶の様子を愛犬と一緒に撮影に行った日でした。その日、地震が起こり、橋を走行中だった大学生が行方不明になり不幸にも亡くなることとなりましたが、ちょうどその橋のちょっとだけ下流の茶畑でした。晩御飯を終えてお酒を飲んでいると、突然、「ドンッ」という物凄い音と突き上げるような衝撃がはしり、その後激しい揺れがありました。テレビが3段飛びでジャンプし、80キロ近いバーベルが落ちて転がってきました。あまりの揺れに動けませんでしたが、恐ろしいという感情よりもびっくりしました。
本当にびっくりしましたが、床に散乱している割れてワインの瓶などを片づけて部屋を出ました。
余震があったので、会社の駐車場の真ん中に車を止めてそこで寝ることにしました。
翌日、店内を見てみると店内はひどい有様でした。
2回目の本震
当時、ニュースでは震度5強クラスの余震がある可能性がありますと報道があってました。その日は片づけに追われ、前日は車中泊で眠れなかったので、ゆっくり寝ようと部屋の中で寝ました。すると、夜中に再び地震が…。
はっきり言って、最初の地震よりも数段スケールがでかく、恐怖でした。箱を手でブンブン揺するような容赦のない揺れ。
激しい揺れの中、這ったり通路の壁に手を添えて倒れないようにしながらなんとか家を出ました。
ずっと震度5クラスの余震が続いていたため、ずっと揺れていたように記憶しています。
怖さに息が荒かった
数時間後また車中泊しました。
翌日店内はさらにぐちゃぐちゃになっていました。ポスレジは一台画面が割れて、プリンターも落ちてひっくり返り、しょうゆは、瓶が割れて醤油の海になっていました。陶器や急須などは半分以上は割れていましたね。
その日(4/16)はお休みすることにしました。
本震 翌日(4/17)
翌日(17日)、店内を片づけを開始しました。
新茶前で楽天の注文が多かったことから、お客様の対応なども開始しました。30分間隔で余震があったように憶えています。揺れる度に外にダッシュを繰り返していました。
お店のドアは閉めていましたが、ドアをたたくお客さんが…。開けてあげると、涙を流して喜んで「食べ物にありつけた。ここは穴場よ」と涙を流して喜んで帰られました。コンビニはどこも閉店し、停電、断水の状態でしたので、当時は困っていた人が非常に多かったのではなかろうかと思えました。その後もいろいろな人がお菓子や食べ物を買いに来られました。
支店の新外店はひどい有様でした。
天井は落ちて、スプリンクラーが壊れていて、床は水浸しでガラスや破片の中を歩いて店舗にたどり着きました。
再開は難しいかもと言われ、35年以上続いたお店がそのまま終わることになりました。
4月23日の新茶の売り出しは中止なったが、お客様の要望で29日に開催することになった
23日に新茶の売り出しの予定していましたが、物流が止まっていたため、新茶のサンプルすら届きません。
売り出しを始めるような状況ではなかったため、5万枚のチラシは破棄しました。予定していたラジオなどの広告もすべてキャンセル。売り出しはあきらめておりました。
２６日くらいになるとお客様から、今年の新茶はどうするのという問い合わせがたくさんありました。こんな時でも皆さんは新茶を心待ちにしているのだとわかるとやるしかないと思うようになりました。
新茶は相変わらず、まだ揃ってなかったですが、物流が少しづつ回復していく兆しがあったので、29日から開催することにしました。よい新茶をこの時期に確保しないと良い品が手に入らないという事情もありました。
新茶の売り出しはチラシやラジオ広告がなくとも順調でした。
必死であまりにも忙しかったため、あまり記憶はありません。ネットの応援注文もたくさんあったので、ただひたすら必死でした。その年は支店(新外店)が閉店したにもかかわらず、決算(売上)は過去最高を記録しました。ただ翌年からはどんどん減少する事態となってきましたが…。
震災後あれこれ
楽天やヤフーのお客様からの温かい声援や助言、たくさんのサポートをいただきました。取引先や親戚、様々な支援をいただきました。感謝を申し上げます。色々な方にお話を聞くと、非常に心の痛むお話や、犬が救出された感動のストーリー、悪質なぼったくり業者に片づけをお願いしなければならなかったお年寄り、引っ越し、お別れのご挨拶にいらっしゃった何人ものお客様、語りつくせないことが多くありました。
災害は様々なものを消失するきっかけになりますが、頑張ることで力強く生きていくための経験にもなったのではなかろうか？とも感じています。