お茶は品種によって効能が変わる?高機能品種茶「ゆたかみどり」
ゆたかみどりとは?
【ゆたかみどり】って聞いたことありますか? ゆたかみどりは緑茶の品種の一種です。
温暖な気候を好むことから、主に鹿児島県で多く生産され、鹿児島県の代表品種となっています。栽培面積はやぶきた種に次いで2位となっています。
早生品種としても知られ、日本一新茶が早い鹿児島県の走りの新茶の多くはこの【ゆたかみどり】なんですね。わりとコクもあり、鹿児島茶らしい味わいです。香りにも特徴があります。慣れてくれば、飲まずともゆたかみどりの香りで判別できます。ほとんどが、かぶせ茶となり深蒸し茶として製造されます。
ゆたかみどり 免疫力アップ
***冷水で淹れよう。エピガロカテキンのパワー***
さて、その【ゆたかみどり】が高機能品種茶としてテレビなどで紹介されました。ある日の夜、ちょうど楽天のスーパーセールの注文処理をやっていたら、やたらどんどんゆたかみどりの注文が入ってきてビックリでした。やはりテレビの反響はすごい。
2015年5月30日放送の日本テレビ「世界一受けたい授業」では、当時、農研機構で茶の機能性研究に携わっていた山本万里氏が「高機能品種茶」を解説し、ゆたかみどりはエピガロカテキン(EGC)が豊富な品種として紹介されました。番組では、低温で抽出したゆたかみどりと「体の免疫力」「抵抗力」に関する研究内容が取り上げられています。番組公式ページを見る
農研機構の研究成果では、EGCおよびエピガロカテキンガレート(EGCG)について、マクロファージ様細胞の貪食能を活性化する作用が報告されています。また、抽出温度を下げるほどEGCの比率が高くなり、4℃の冷水抽出ではEGCを相対的に多く抽出できることが示されています。農研機構の研究成果を見る
…というのも、カテキンには4種類ほどあって、(それぞれ効果が微妙に違うのですが、)温度によって抽出量が異なります。エピガロカテキンガレート(EGCG)というカテキンが茶葉に最も多く含まれるのですが、このEGCGがエピガロカテキン(EGC)の免疫力アップ効果を抑制*してしまうそうです。しかし、EGCGは高温で抽出しないと出にくいのに対し、エピガロカテキン(EGC)は低温でも抽出できるため、水出しにするとエピガロカテキンの割合が多くなり、免疫力アップ効果を最大限に発揮できるというわけです。
*正しくは、EGCGとEGC両方に免疫力活性の効果があるのですが、両方同じくらいの量だとお互いの効果を打ち消し合う作用があるためです。
研究論文によると、免疫力活性には、EGCの濃度の比率はEGCGの2倍になる必要があるそうで、さらにEGCの量は1日あたり50mg (25mg×2回)以上の摂取が条件だそうです。
この条件を満たすには、やぶきたの茶葉の場合は2.5gを100mlの冷水で30分放置でEGCが約25mg、(60分放置で40mg)となります。ゆたかみどりだとやぶきたと比べて、茶葉は2割以上少なくて済みます。また、EGCの比率も高くより高い効果を期待できます。

*上表 緑茶冷水(4℃)浸出液のカテキン浸出特性及び茶期・品種の異なる緑茶冷水浸出液がマクロファージ様細胞の貪食能へ与える影響 より抜粋
上の表は、各品種のエピガロカテキン(EGC)とエピガロカテキンガレートの量と割合です。ゆたかみどりがエピガロカテキンの量が最も多く、EGCGとの割合も高いのがわかります。
実験では4℃で抽出していますので、冷蔵庫で冷やした水などで抽出することをお勧めします。
また、ゆたかみどりの粉末茶ではなく、茶葉を使ってください。粉末茶ではエピガロカテキンガレート(EGCG)の割合が高くなってしまい、免疫力活性化の効果が弱まります。

*上表:品種別抽出液による免疫細胞の活性率
水出しによる 免疫細胞(マクロファージ)活性効果は、どの品種も高くなったが、ゆたかみどりが130%を超えていて最も効果が高かったのがわかります。
エピガロカテキンの多いゆたかみどりを水出しすることで、効率よく免疫力アップ効果が得られます。
ここでは、エピガロカテキンガレート(EGCG)がお邪魔虫みたいになっていますが、EGCGは、それはそれで、ものすごい効果があるので、(抗酸化作用はビタミンCの10倍から100倍と言われています。)水出しを楽しんだ後は、しばらくして残ったEGCGをお湯で出して2度お得に楽しむのもありだと思います。
夏場は食中毒等もありますので、免疫力アップのゆたかみどり水出しがおすすめです。水出しにすると、水筒などに入れてもお茶の色が緑色のまま。しかも、渋みが少なく味わいもマイルドになります。是非試してみてください。
- 農研機構「緑茶抽出液に含まれる免疫賦活活性成分とその効果的抽出法」 — EGC・EGCGとマクロファージ様細胞の貪食能、低温抽出時の成分比について。
- 物部真奈美ほか「緑茶冷水(4℃)浸出液のカテキン浸出特性及び茶期・品種の異なる緑茶冷水浸出液がマクロファージ様細胞の貪食能へ与える影響」(茶業研究報告 114, 29-36, 2012)。
- 農研機構 研究成果資料 — ゆたかみどりを10℃で抽出した際のEGC・EGCG等の成分値を掲載。
- 日本テレビ「世界一受けたい授業」2015年5月30日放送「最新研究でココまでわかった 高機能品種茶!!」 — 山本万里氏がゆたかみどりと低温抽出を紹介。
※研究成果には培養細胞やマウスを用いた試験が含まれます。ここでは研究・番組で報告された内容を紹介しており、特定の商品による疾病の予防・治療効果を示すものではありません。
→ 現在の「ゆたかみどり」品種解説はこちら
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