お客様によく尋ねられます。
確かに、みかんには、小袋で1袋100円~350円と幅広くあります。
しかし、どれも同じ生産者のみかん。どうして同じ量でも、値段が違うのは気になるところです。いったい何が違うのでしょう。
みかん全般に言えますが、サイズの小さいみかんほど、甘みが強い傾向にあり、大きいみかんほど大味になります。
価格は、MやLサイズが最も高く、続いてSやSSサイズ、2Lや3Lが最も安価になります。
一番値段が高いみかんが、最も甘いと思っている方が、多いと思います。しかし、実は、値段順が甘みの高い順というわけではないということです。
MやLが最も値段が高いのは、需要が高いから。みかんとして、手ごろな大きさで最も美味しそうに見えるサイズで皆が欲しいと思う大きさだからです。
みかん通の方は、最も甘い2S(SS)サイズを好んで食べられる方が多いです。ただ、大きいみかんが食べやすくて好きだとおっしゃる方もいらっしゃいますので、お好みのサイズでみかんを選ぶとよいでしょう。
みかんの表面に傷があると大きく価値を減らします。傷が多いと規格外となり、半額以下の価値になります。MやLサイズで傷の少ないものは、贈答用のみかんとなり、高値で販売されるわけです。
みかんの表面に傷が多いと、腐れが早くなる原因のひとつともなる場合があります。確かに、傷のたくさんあるものについては、日持ちがないようにも思えます。
しかし、味については、傷が多いと美味しそうに見えませんが、実際はあまり違いがないと言われています。
みかんを買う場合は、用途に分け、誰かに差し上げるものは、傷の少ないもの、自宅用の場合は、傷があってもかまわないと心得ておきましょう。
みかんには極早生、早生、晩生など収穫時期の違う品種があります。
農家さんがみかんを一日にちぎることができる量や保存場所、保存可能期間に限りがあるため、収穫時期の異なったみかんを栽培していく必要があります。そのため、収穫時期の違う品種のみかんを生産しています。
みかんの産地である熊本では、最初に肥のあかり、日南の姫が9月中に収穫され、10月から肥のあけぼのが始まります。続いて「おきつ」や青島みかん系が続きます。
肥のあかりや日南の姫は、まだ表面が緑色のうちから食べる品種で、見た目ほど酸っぱくはなく、しばらく置いておいても甘くはならないみかんです。置いておくと皮がオレンジ色でなく、レモン色に変化していきます。
肥のあけぼのは、熊本みかん生産者いわく、みかんの4番打者で、非常に人気の品種です。甘みと酸味がバランスよく濃厚なみかんの味わいを楽しめます。青島みかんは、豊作と不作が隔年ごとにあるみたいで、年ごとに大きく相場が変わる印象があります。
みかんの甘さは、生産地や生産者によるところが大きく、大きいほど大味で、小さいものほど甘い傾向にあるということ。晩白柚やザボンなどの大きい柑橘類が育つ地域は、甘いみかんの生産には不向きということになります。
傷が多いとみかんの価格は大幅に安くなり、傷自体は味にあまり関係ありません。安くて甘いお買い得なみかんを探す場合は、傷のある小さいみかんを選ぶとよいでしょう。
当たり前の話ですが、結局は需要の高いサイズや状態のみかんが最も値段が高く、需要が低ければ安くなるということです。しかしながら、需要と美味しさ、自分の好みとは一致しない場合が多いので、そこを知っておくことがみかんを買う時のポイントです。