熊本市や熊本県が「災害ボランティアバスツアー」を開催しています。
桜町バスターミナル発着で、添乗員の方もいらっしゃいますので、説明や案内などもあり、初めての方には特にお勧めです。
毎週火曜日と木曜日が熊本市(9/15まで)、その他の曜日は熊本県がボランティアバスを運行しています。
どちらも、定員40名となっております。バス2台で現場に向かいます。
未成年の方は、保護者の同意書が必要です。
ボランティアのスケジュールはほぼ同様ですが、申込先が熊本市と熊本県に分かれているので、注意が必要です。参加予定日を確認して、どちらかに申し込みましょう。頻繁に更新されているので、最新の情報をお確かめください。
必要なもの:汚れてもいい服装(長袖、長ズボン)、手袋(軍手でなく、ビニール製の水を通さないもの)、長靴、帽子、マスク、ボールペン&メモ、着替え(上下、靴)、飲み物、お弁当(昼)、ボランティア保険
ボランティア保険がない場合は、当日500円を支払うことで加入できます。バスの添乗員の方が申し込みを代行してくれます。(署名するだけ)有効期限1年とありますが、実際には、年度末(3/31)まで
(ちなみに、バスの中でボランティア保険を申し込んだ方は、三人に一人くらいの割合でした。災害ボランティア初心者の方も一定割合あるので、初心者も心配ありません。)
出発(7:00)⇒松橋IC⇒SA(トイレ休憩)⇒人吉球磨SIC⇒人吉市災害ボランティアセンター(9:00)(車中にてオリエンテーション・注意事項の説明)※人吉市災害ボランティアセンターより分かれてボランティア活動に向かいます。
人吉市ボランティアセンター(16:00)⇒人吉球磨SIC⇒松橋IC⇒熊本桜町バスターミナル(18:00頃)
●月曜日、木曜日 熊本市
※申込締切:WEB申し込みの場合:各日の3日前まで
FAX申し込みの場合:各日の2日前の午後3時まで(ただし、7/22(水)は前日の昼12:00まで受付)
●月曜日と木曜日以外 熊本県
申込書をFAXすると、しばらくして折り返しのFAXがありました。
・必ず長袖と長ズボン。かなり汚れるので、作業服か、動きやすく、汚れていいものを選ぶ。
体験談:自宅の洗濯機を使いたくなかったので、翌日コインランドリーを使用。特に汚泥の汚れは、落ちにくかったです。
・着替えを用意する。前述のようにかなり汚れます。
体験談:ボランティア後に着るズボンの替えを忘れてしまい、少し後悔。帰りのバスは、汚れ防止のため、座席床にダンボール、廊下に人工芝、座席はビニール製ゴミ袋のようなもので覆ってありました。
・帽子。狭い屋内廊下を行ったり来たりするので、麦わら帽子の様な大きいものは向きません。しかし、熱中症対策のため、首や顔が日に当たらないような帽子を持参するか、キャップならば日の当たる部分を布で覆うなどした方が良いかもしれません。
・マスク 呼吸がしやすく、カビなどをフィルターできるもの。
体験談:現場は、重いものを何回も運ぶので、息が上がりますし、夏なので非常に暑く汗もかきます。また、カビや色々混ざった臭いするので、呼吸がしやすく、しっかりカビなどを防げるものが適しています。慣れたボランティアの方は、作業用とバス内用と使い分けている方もいました。
・手袋 軍手でなく、ゴム製のものを用意しましょう。
体験談:現場では、汚泥まみれのものを運びます。手や服に汚れが付かないよう運ぶので、その分握力を非常に使います。よって、滑りにくく、泥がついたものでも握りやすいのを選ぶとよいでしょう。私は、滑りにくい軍手タイプを使用しましたが、終盤は握力がなくなってきました。また、ゴム手袋でなかったため、手についた汚泥の臭いがなかなか取れません。
・弁当や飲料 飲み物は特に十分な量を用意しておきましょう。腐れ易いものはNG。現場近くには、売っていない場合も多いです。
体験談:途中30分の昼休憩がありました。水で手を洗える機会もありましたが、石鹸などはなく、衛生的な問題もあります。除菌できるようなものを持っていくべきでしょう。自分的には、悪臭漂う中、弁当は口にできませんでした。ボランティアに参加されていた女性は、ゼリー飲料を飲まれていました。また、現場には電気は通っていません。当然冷蔵庫もないので、悪くなりやすいものは避けるべきでしょう。保冷剤をリュックに入れておくと安心かもしれません。
・ボールペンやメモなど
体験談:ペンを忘れましたが、バス車内で貸してくれました。
他、持っていくものリストに記載はありませんが、現場ではカビの胞子やほこりなどが目にも入るので、アレルギー体質で心配な方は、ゴーグルなどを持っていくとよいでしょう。(必須でなありません)ゴーグルをつけている方も少数でしたが、いらっしゃいました。
出発当日 集合時間は6時50分 説明もありますので、遅れないようにしましょう。
24番乗り場を目指してください。熊本城ホール側の一番奥です。24番乗り場横の「団体バスのりば」が集合場所です。
1号車、2号車の2台で現地に向かいます。
新型コロナウイルス感染防止対策として、乗降時 毎回手指をアルコール消毒してください。
また、座席は、2席に1名となっています。(家族でも隣同士に座るのは不可。通路を挟んで座るのはOK)
出発すると、九州産交バスの添乗員の方が、説明を開始します。
1.利き腕の反対側に貼るシールは、ボランティアだという身分証明。
2.被災者や他のボランティアの方の個人情報を漏らさない。
3.リーダーを中心に必ず団体行動。
4・被災当時の状況について尋ねたり、尋ねるときは、配慮した言葉を使う。被災家屋の前で記念写真を撮らないなど。
5活動内容は、被災家屋の片付けや汚泥除去。
6・活動先で営利行為や宗教活動の手伝いをしない、別の方たらボランティアの依頼があった場合は、災害ボランティアセンターに連絡してもらうように伝える。
7.謝礼は受け取らない。
8.怪我や物を壊した場合は、保険が適用される場合もあるので、センターへ連絡。
9.午後3時までに戻る。(ボランティアツアーでは、バス降車時の場所に2時30分までに戻るように指示がありました。)
10.無理をしない。
現地での緊急(怪我や問題など)連絡先 人吉市ボランティアセンター 080-5071-9654
被災地で活動するための感染防止対策チェックリストと書かれたシートを記入。
こちらは、回収されます。
日付や名前をカタカナ、フルネームで記入します。サインペンもバス車内で貸してくれます。
利き腕の反対側に貼り、これが災害ボランティアという身分証明になります。
ここで買い物やトイレを済ませましょう。
人吉市災害ボランティアセンターへは、ここから10~15分です。
人吉市災害ボランティアセンターに到着。こちらで、社会福祉協議会の方が、派遣先のグループ分けをします。
各グループに一人、リーダーを選びます。
リーダーに選ばれた人が、休憩などの判断や報告などを担当します。
1号車は4グループ、2号車は、5人と10人の2グループに編成されました。(私たちは、10人のグループに入りました。)
グループ編成が終わると、バスで現場に向かいます。
リーダーに渡されている、必要な道具と数量が記載されたリストの通り、スコップ、土嚢袋、一輪車他、様々なツールと資材をもって現場に向かいます。
ボランティア活動の要請を受けたお宅に向かう道は、道の両脇にすごいゴミが積んでありました。
道中、すさまじい様子でしたが、被災されている住民の皆さんは、私たちボランティアを笑顔で歓迎してくれました。
ボランティアを依頼されたお宅に到着。(お宅のプライバシーがあるため、もちろん写真などはありません。)
1階天井まで浸水した様子でしたが、2階は浸水していないとのことでした。1階を片付ける作業を開始します。
家主の方に、何をしてほしいのか希望を確認します。我々は泥の掻き出しと、片付けでした。
道路の脇に荷物を置いて作業を開始です。冒頭にも述べましたが、非常に暑いので、弁当が悪くなる場合もあるかもしれません。腐りにくい食べ物を用意しましょう。また、屋内は浸水した時のままのため、荷物を置けません。幸い、雨は降らなかったですが、雨が降ることも想定しておいた方がよさそうでした。
屋内は、泥だらけ、滑ります。汚水もそのまま残っています。キッチンは戸が開かず最初は入れませんでした。
畳などは、水を吸ってぐにゃぐにゃしているため、男性3人くらいで運びました。結構な重労働なので、体力に自信のある人がやると良いと思います。
床板を外して運んだり、泥を土嚢袋に入れて運んだり、家財道具がそのままで山のようにあるのでそれらを外に出します。これを何十回も繰り返します。
数週間も水、汚泥に浸かった状態なので、カビはもちろん、ものすごい臭いがします。泥も危険な細菌まみれの可能性もあるので、しっかり対策をするに越したことはないと感じました。ゴム手袋でなく軍手に近いものだったので、活動後も臭いがなかなか取れません。
冷蔵庫も重いので、まずは中身を出し、窓から外に落としました。タンスなども引き出しごとに運びます。水を吸っていてとても重い場合もあります。釣り具やら、工具、刃物やら、危険物が泥の中に隠れている場合も多かったので、気をつけながら、丁寧に撤去しました。
床板を外していたり、泥で滑りやすいなど、足元に注意が必要です。床板が腐っている場合もあるので、落ちたりすると怪我をする可能性もあります。気をつけましょう。
休憩は、お昼前に1回(水分補給)と昼食(30分)の1回ありました。休憩については、リーダーが指示を出します。途中でキツイと思った場合は、リーダーに休憩を提案すると良いと思います。
手が汚れるので、時間を知りたい場合は、スマホでなく、腕時計があると便利に思えました。
集合時間が、2時半厳守でしたので、リーダーの指示で2時前から撤収作業を開始しました。道具や、長靴、手袋を洗ったりする時間も必要なので、気に留めておく必要もあります。
終了時間になったので、家主さんに報告して、バスの降車地点に戻ります。
バスに乗り込む前、国宝・青井阿蘇神社の池に落ちた自販機をクレーンで引き上げているところに遭遇。
この後、池の中でひっくり返っている車も撤去されるでしょう。
長靴を水で多少洗ったとはいえ、ズボンなども泥だらけの私たちですが、バスの車内は、シートにビニールが被せてあったり、車内通路、床下も汚れないように工夫が施されていました。
このあと、災害ボランティアセンターに戻り、リーダーは、報告を行います。
センター内に更衣室があるのでここで着替えができます。
また、ボランティア証明書もここで発行紙てもらえます。
ボランティア活動証明書
自ら名前や住所をなどを記入するだけなので、必要な方は、申込しましょう。
午後6時桜町バスターミナル到着予定でしたが、渋滞も少なかったため、5時過ぎくらいに到着しました。到着後、すぐに解散です。ボランティアの方々は様々な理由で参加しているためか、交流を深めるなどの計らいはありません。終始、自己紹介もなく、帽子を被りマスクで顔の大部分を覆われるので、どんな方々で、なぜボランティア活動をしているか、知る由もありません。ただ、尊敬に値する方々だという想いだけが残りました。
添乗員さんや、熊本市の担当の方の話では、7月22日時点でボランティア活動の支援を求めている人のうち、完了した人の数は、全体の1割程ということです。
まだ全然片付けが終わっていないというか、手をつけたくても何もできない方々が多くいらっしゃるという事実があります。
実際にボランティアを終えてみると、困っている人がいて、会ってみて、そして、体験してみないとわからない現実がそこにあると気づかされます。
これは、復旧に相当な時間を要するように思えました。
私個人では、6月末、茶畑の視察などを目的に、人吉市や相良村を訪れたばかりでした。まさかこんなことになるとは、思ってもみませんでした。
豪雨災害の直後、7月4日に、相良村のお茶「球磨の恵」というお茶をつくり、1個買うと150円募金に充てるというキャンペーンを楽天やヤフーショッピングで始めました。
募金を募る中で、どうしても募金だけでなく、現地を見てそして出来ることを手伝いたいという想いが湧きました。
実際やってみて、体が怠く、疲れはしましたが、達成感はあります。携わった被災現場はまだ完全にボランティアが終わったわけではなく、これからも続くこととなると思いますが、少しでも携わることができてよかったです。
災害ボランティア活動を継続して行っている方々が多くいらっしゃいます。見返りもなく、大変な現場で、困っている方々のために坦々黙々と作業する姿勢に本当に敬意を表します。
時間のある方は、是非ボランティア活動に参加してみてください。
そして、私の感じたこと、失敗したことなどを参考に、より安全で快適な災害ボランティア活動のお役立ていただければ、幸いです。
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