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知覧抹茶「藤」と「葵」はどちらを選ぶ?679件の評価と成分データで分かった目的別の答え

知覧抹茶の春摘み一番茶「藤」と、初夏摘み二番茶「葵」。

一般には「一番茶の方が上質で、二番茶は安価な加工用」と考えられがちです。しかし、実際に成分を測り、購入者のレビューを読んでいくと、それほど単純ではありません。

レビューには、藤について「香りと甘みを楽しみながら毎朝飲む」「一日一杯のリラックスタイムに」という感想がありました。

一方、葵には「二番茶の方が味に深みを感じる」「抹茶ラテやお菓子に惜しみなく使える」「渋味があり、カテキンをしっかり摂っている感じがする」という声があります。

ここから見えてくるのは、藤と葵の違いが、単なる品質の上下ではなく、抹茶に何を求めるかの違いだということです。

この記事の結論

  • 香り、まろやかさ、テアニンを意識し、一服の時間を楽しみたいなら「藤」
  • カテキン系の渋味成分を意識し、毎日の健康習慣にたっぷり使いたいなら「葵」
  • 水やお湯だけで点てて飲むなら「藤」
  • 抹茶ラテ、お菓子、ヨーグルト、プロテインなどに混ぜるなら「葵」
  • ただし、味の深みや苦味が好きで、葵をそのまま点てて飲む方もいる

この記事では、次の3つの資料を組み合わせて、藤と葵の選び方を考えます。

  • 山麓園が測定した一番茶5検体・二番茶3検体の成分データ
  • 2023年に仕入れた知覧産原料の一番茶1検体・二番茶3検体の実測データ
  • 楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング合計679件の評価と、本文を確認できたAmazonレビュー100件

藤は「一服を味わう抹茶」、葵は「生活に使い込む抹茶」

まず、商品の違いを最も簡単に表すと、次のようになります。

比較項目春摘み一番茶「藤」120g初夏摘み二番茶「葵」200g
楽しみ方の中心一服を点てて味わう飲み物や食品に幅広く使う
味の傾向香り、甘み、まろやかさを感じやすい苦味、渋味、茶らしい力強さを感じやすい
成分で選ぶならテアニンやアミノ酸を重視カテキン類を中心とする渋味成分を重視
向いている場面休憩時間、毎朝の一服、お稽古ラテ、製菓、アイス、ヨーグルト、健康習慣

藤は、茶碗の中の抹茶そのものを味わう商品です。

葵は、牛乳、豆乳、砂糖、ヨーグルト、小麦粉、卵、油脂などと合わせても、抹茶らしい色と味を残しやすく、200g入りで使用量を気にせず使いやすい商品です。

したがって、「どちらが上か」ではなく、どちらが自分の目的に合うかで選ぶ方が、購入後の満足につながります。

成分で選ぶなら、テアニンの一番茶、カテキン系成分の二番茶

一番茶は、冬を越した茶樹から春に最初に伸びた新芽を摘みます。一般に、アミノ酸やテアニンが多く、苦味や渋味のもとになる成分は比較的少なくなる傾向があります。

二番茶は、一番茶を摘んだ後、気温と日照量が高くなる時期に伸びた芽から作ります。一般に、アミノ酸やテアニンが減り、カテキン類を中心とした渋味成分や繊維が多くなる傾向があります。

山麓園が2026年に測定した一番茶5検体と二番茶3検体では、次の差がありました。

測定項目一番茶5検体平均二番茶3検体平均
遊離アミノ酸5.18%3.33%一番茶が約56%多い
テアニン2.98%1.90%一番茶が約57%多い
タンニン7.02%9.90%二番茶が約41%多い
カフェイン2.38%2.60%差は比較的小さい

※「タンニン」は使用した茶成分分析計の表示項目です。本記事では、カテキン類を中心とする苦味・渋味成分の目安として扱います。個別のカテキンを化学分析した数値ではありません。

抹茶2gに換算すると、どのくらい違う?

上記の平均値を、薄茶一杯分の目安となる抹茶2gへ単純換算すると、次のようになります。

2g当たりの計算値一番茶平均二番茶平均
テアニン約60mg約38mg
タンニン換算約140mg約198mg
カフェイン約48mg約52mg

この計算から、一般論としては次のような選び方ができます。

気持ちを切り替える一服には一番茶

テアニンは緑茶の旨味に関係するアミノ酸で、リラックスやストレス反応との関係がヒト試験でも研究されています。

香りやまろやかさも含め、休憩時間に抹茶そのものを味わうなら、一番茶が選びやすいでしょう。

カテキン摂取を意識するなら二番茶

緑茶カテキンは、脂質代謝や生活習慣に関わる指標との関係について、多くの研究が行われている成分です。

抹茶は茶葉そのものを飲むため、カテキン系の渋味成分を重視するなら、二番茶は合理的な選択肢です。

ただし、テアニンを含むから眠くなる、二番茶を飲めば特定の病気を予防できる、という意味ではありません。

抹茶にはカフェインも含まれます。リラックスを意識する場合も、就寝前というより、仕事や家事の合間に気持ちを切り替える一服として考えるのが現実的です。

ところが、実際の知覧産原料では差が小さい年もあった

ここからが、実際に原料を扱っている販売者として興味深いところです。

一番茶は必ずテアニンが非常に多く、二番茶は必ずタンニンが大幅に多いのでしょうか。

2023年に山麓園が仕入れた知覧産原料では、一番茶1検体と二番茶3検体の差は比較的小さい結果でした。

測定項目知覧一番茶
1検体
知覧二番茶
3検体平均
全窒素5.00%4.97%
遊離アミノ酸2.40%2.07%
テアニン1.30%1.17%
タンニン11.30%11.70%
カフェイン2.40%2.43%

一般的な傾向と同じ方向ではありますが、テアニンもタンニンも差はわずかです。

2026年の8検体では明確な差が出た一方、2023年の知覧産原料では差が小さかった。この二つの結果は、矛盾しているように見えるかもしれません。

しかし、実際のお茶では不思議なことではありません。

同じ一番茶でも、品種、茶園、被覆期間、施肥、摘採の早さ、芽の成熟度、製造、保管状態によって成分は変わります。二番茶についても同様です。

このデータから分かる本当のこと

「一番茶」「二番茶」という茶期には傾向があります。しかし、茶期名だけで個々の抹茶の品質や成分量まで断定することはできません。年やロットの実測値、実際の味、購入者の評価まで確認して初めて、その商品の性格が見えてきます。

2023年産・知覧一番茶の測定票

手書きの①は一番茶を示しています。

2023年産・知覧二番茶3検体の測定票

知覧二番茶・検体1
知覧二番茶・検体2
知覧二番茶・検体3

※2023年の測定値は、当時仕入れた原料の結果です。現在販売している商品の保証成分値ではなく、知覧産一番茶・二番茶全体を代表する数値でもありません。

679件の評価と100件のレビュー本文から見えた使い分け

成分値は商品の性格を知る大切な資料ですが、購入者が実際にどう使い、どう感じたかも重要です。

2026年7月10日時点で、山麓園の知覧抹茶には、楽天市場284件、Amazon284件、Yahoo!ショッピング111件、合計679件の評価が寄せられていました。

販売先評価件数平均評価
楽天市場284件4.71点
Amazon284件4.4点
Yahoo!ショッピング111件4.67点
合計679件

Amazonについては、本文を確認できた100件を中心に内容を確認しました。内訳は、一番茶「藤」40件、二番茶「葵」60件です。

100件の星評価は、星5が61件、星4が28件、星3が9件、星2が2件、星1が0件で、星4以上が89%でした。

ただし、面白いのは点数そのものより、藤と葵では褒められている理由が違うことです。

藤の評価|香り、甘み、飲みやすさ、そして「リラックスタイム」

藤のレビューでは、そのまま点てて飲む方からの評価が目立ちました。

具体的には、次のような感想です。

  • 香りがよく、甘みを感じる
  • 苦味が強すぎず、癖がなく飲みやすい
  • 毎朝のお抹茶として続けやすい
  • 一日一杯のリラックスタイムに飲んでいる
  • 泡立ちがよく、自宅でのお稽古にも使いやすい
  • 120gは家庭で使い切りやすい

成分の一般的な傾向でも、一番茶はテアニンや遊離アミノ酸が多くなりやすいため、レビューで語られた「甘み」「まろやかさ」「気持ちを切り替える一杯」という使われ方とよく合います。

藤は、単に葵より価格が高い商品ではありません。

抹茶を何かに混ぜる前に、まず茶碗の中の香りと味を楽しむための商品と考えると、その特徴が分かりやすくなります。

藤にも合わない場合がある

藤でも、すべての方が同じ味を感じるわけではありません。

  • 高級な少量缶入り抹茶と比べると、香りや余韻が期待と異なる
  • 強い苦味や濃厚な個性を求める人には、穏やかすぎる場合がある
  • スプーンで混ぜるだけではダマになった
  • ラテや製菓を中心に大量に使うには、葵の方が使いやすい

藤は、正式な濃茶用の最高級抹茶と同じ位置づけではなく、毎日点てて飲みやすい一番茶抹茶です。

葵の評価|量、コスパ、味の強さ、そして「カテキンを摂っている感じ」

葵のレビューでは、200gという容量と、幅広い用途への使いやすさが高く評価されていました。

  • 抹茶ラテや抹茶ミルクにするとおいしい
  • 牛乳や豆乳に合わせても抹茶らしさが残る
  • ケーキ、クッキー、パンケーキ、プリンなどに使いやすい
  • ヨーグルト、プロテイン、オートミールへ毎日入れられる
  • 大容量なので量を気にせず使える
  • 一番茶より二番茶の方が、味に深みや個性を感じる
  • 渋味があり、カテキンを摂っている感じがする

二番茶の苦味や渋味は、そのまま点てた場合には短所になることがあります。

しかし、牛乳、豆乳、砂糖、アイス、小麦粉、卵、油脂と合わせると、味が薄まります。その中で抹茶の存在感を残すには、二番茶の力強さが役立ちます。

健康を意識して毎日抹茶を摂りたい方にとっても、葵は選びやすい商品です。抹茶は抽出液だけでなく茶葉そのものを飲むため、カテキン類を中心とする渋味成分を意識する場合、二番茶という選択には合理性があります。

葵にも合わない場合がある

  • 水だけで点てると、苦味や渋味が強いと感じる場合がある
  • 草っぽさ、土っぽさを感じる方もいる
  • 高級な茶会用抹茶の代用品として選ぶと、期待と違う場合がある
  • 使用頻度が低い方には200gが多い
  • 混ぜ方によってはダマになる

反対に、レビューには、葵を茶筅で点てて飲み、「二番茶の方が深みがあり好き」と評価した方もいました。

苦味や渋味は、単なる欠点ではありません。甘いお菓子と合わせたときや、味の個性を求める方には、葵の方が満足できる可能性があります。

味・用途・成分の3方向から選ぶ

あなたが抹茶に求めることおすすめ理由
香りとまろやかさを味わいたい一番茶ではアミノ酸やテアニンが多くなりやすい
休憩時間に一服して気持ちを切り替えたいレビューでもリラックスタイムや毎朝の一杯に使われている
茶筅で点てて飲みたい香り、甘み、飲みやすさの評価が多い
カテキン系成分を意識したい二番茶はタンニン値が高くなりやすい
健康習慣として毎日たっぷり使いたい200g入りで食品や飲料へ使いやすい
抹茶ラテを作りたいミルクに合わせても茶らしい苦味が残りやすい
ケーキやクッキーを作りたい色、味の強さ、容量、コストのバランスがよい
苦味や味の深みが好き二番茶の個性を好む購入者もいる
初めてで迷っている飲むなら藤、混ぜるなら葵主な使い方で選ぶと失敗しにくい

藤と葵は、時間帯で使い分けても面白い

両方を用意し、気分や生活の場面で使い分ける方法もあります。

午前や午後の休憩には藤

藤を1.5~2gほど茶こしでふるい、70~80℃程度のお湯で点てます。

砂糖や牛乳を加えず、香り、甘み、まろやかさを味わう飲み方です。忙しい日の途中に、茶筅を動かす数十秒そのものが、気持ちを切り替える時間になります。

朝食や運動後、間食には葵

葵を少量のぬるま湯で練り、牛乳や豆乳へ加えてラテにします。ヨーグルト、プロテイン、オートミール、バニラアイスなどへ混ぜても使えます。

苦味が気になる場合は、牛乳や甘味を加えると飲みやすくなります。反対に、苦味を好む方は、水やお湯で点てて二番茶の個性を楽しめます。

なお、藤と葵のどちらにもカフェインが含まれます。カフェインに敏感な方は、夕方以降の量にご注意ください。

「溶けない」「ダマになる」は品質不良ではない

藤と葵の両方で見られた不満が、「スプーンで混ぜても溶けない」「ダマになる」という内容です。

抹茶は砂糖やインスタント飲料のように水へ完全に溶解するものではありません。細かな茶葉の粒子が液体の中に分散した状態です。

ダマを減らすには、次の順序がおすすめです。

  1. 抹茶を茶こしでふるう
  2. 少量のぬるま湯を加える
  3. 茶筅、ミルクフォーマー、スプーンなどでペースト状にする
  4. その後にお湯、牛乳、豆乳などを加える

冷たいラテの場合は、氷と一緒にシェイカーで振る方法も適しています。

結論|休むための藤、活かすための葵

一番茶と二番茶には、一般的な成分傾向があります。

  • 一番茶は、テアニンや遊離アミノ酸が多く、まろやかになりやすい
  • 二番茶は、カテキン類を中心とする渋味成分が多く、力強い味になりやすい

この違いを生活の中へ置き換えると、選び方は分かりやすくなります。

藤は、香りとテアニンを意識し、一服の時間を味わう抹茶。

葵は、カテキン系の渋味成分と味の強さを活かし、生活の中で幅広く使う抹茶。

そのまま飲むなら藤、混ぜて使うなら葵。成分で選ぶなら、リラックスを意識する一番茶、カテキン摂取を意識する二番茶という考え方もできます。

ただし、2023年の知覧産原料のように、一番茶と二番茶の差が小さい年やロットもあります。

「一番茶だから必ず高成分」「二番茶だから必ず苦い」と決めつけず、実際の味、用途、容量、購入者の評価を合わせて選ぶことが大切です。

藤と葵は、優劣を競う二つの商品ではありません。

今日の自分が、抹茶に何を求めているか。

香りのよい一服で立ち止まりたいのか。牛乳や食品へ混ぜ、毎日の習慣としてたっぷり取り入れたいのか。その答えによって、選ぶ抹茶も変わります。

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山麓園の知覧抹茶

香りと飲みやすさを重視した春摘み一番茶「藤」120gと、ラテ・製菓・毎日のアレンジに使いやすい初夏摘み二番茶「葵」200gをご用意しています。

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参考資料


執筆・分析:株式会社山麓園 甲斐宣史

本記事の成分値は、山麓園が茶成分分析計を用いて測定した原料の自社測定値です。現在販売中の商品すべてに共通する保証値ではありません。原料の品種、茶園、被覆、摘採時期、製造、保管状態などにより数値は変動します。レビュー分析は2026年7月10日時点の公開レビューを対象とし、合計679件の評価と、本文を確認できたAmazonレビュー100件を中心に傾向を確認しました。テアニンやカテキンに関する説明は一般的な研究情報であり、本商品による疾病の予防・治療その他の効果を保証するものではありません。

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